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暗夜行路 (1959)

監督
豊田四郎
  • みたいムービー 4
  • みたログ 6

2.60 / 評価:5件

大連も京城(現ソウル)も当時は日本でした

  • bakeneko さん
  • 2021年4月15日 14時48分
  • 閲覧数 82
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    • 総合評価
    • ★★★★★

1921年から1937年に掛けて志賀直哉が17年を費やして書き上げた「暗夜行路」の映画版ですが、原作を忠実になぞりながら主人公の葛藤とその克服を描き切れていず、小説にある内面心理描写や心中独白といった手法が使えない映画の弱点を実感させる出来となっています。

小津安二郎が映画化を切望しながら、主人公の葛藤を描き切るには自分では力量不足として替わりに「風の中の牝雞」を撮ったことでも有名な日本文学の代表作を、豊田四郎が映像化したもので、主人公を池辺良、妻を山本富士子という美男美女の配役で撮りあげています。

時任謙作(池辺良)は、6歳の時に祖父に引き取られて育ったが、やがて自分が祖父と母親の不義の子共である事を知って鬱屈した青春期を送り、現在は小説家として死んだ祖父の妾のお栄(淡島千景)と同じ家に暮らしている。やがて直子(山本富士子)という女性を見初めた謙作は出生の秘密を受け入れてくれた直子と結婚するが、謙作の結婚を機に大陸に渡ったお栄が一文無しに落ちぶれて京城にいることを知った謙作は、お栄を引き取るため旅に出るが、その留守中に直子が従兄(仲代達矢)と過ちを犯してしまう。頭では直子を許すが、感情的にはどうしても収まらず、どうしても直子に当たってしまう謙作は苦悩の末に別居し、大山の登山に出掛け…という半生葛藤劇で、
“理性的には許しているが、感情的には蟠りが残っている”精神状態が、大自然と一体となる感覚で浄化されてゆく―筆致が“現代文学の白眉”とされていますが、映画では観客を納得させる表現とはなっていません。
それでも、戦前の東京の風景を再現し、全盛期の美しさの山本富士子(27歳)、千秋実、中村伸郎、仲谷昇、杉村春子、市原悦子、小池朝雄、加藤武、岸田今日子…らが好演している作品ですので、小説のイメージの補完に観ては如何でしょうか…

ねたばれ?
1、クライマックスで、登山中に倒れた主人公を背負って山を下りてくれる人の良い山岳案内人を演じているのが悪役になる前の天津敏で、お馴染みの“地の底から響くような”声色になる前の普通の発声も傾聴です。
2、後の出演作では圧倒的に悪役が多い―小池朝雄も“主人公の小説ファンの純朴な男”:水谷役で出演していますが、あまりにも甲斐甲斐しく主人公夫婦の世話を焼くので返って“何か疚しいところがあるんじゃないか?”と疑われています(まぁ あの顔じゃあねぇ…)

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