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硫黄島 (1959)

監督
宇野重吉
  • みたいムービー 3
  • みたログ 20

3.77 / 評価:13件

“いおうとう”と読みます。

  • bakeneko さん
  • 2012年1月17日 11時20分
  • 閲覧数 762
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

菊村到の芥川賞受賞原作の、宇野重吉監督&俳優座役者陣による映画化作品で、硫黄島からの帰還兵の行動の謎を複数の証言から解き明かす推理劇方式で、戦争と人間性&良心の問題を突き詰めた重厚なテーマを扱った“戦争&人間ドラマ”の佳作であります。

え~、まず本作は最近のイーストウッド監督&ハリウッド大作の“硫黄島2部作”と異なり、戦闘シーンは皆無であります。組織的戦闘が終結した後の残存兵のサバイバル体験が戦場回想シーンの主体と成っていますし、物語の大半が戦後6年後の日本に住む人々への取材&証言から成り立っていますので、派手な戦闘アクションの娯楽性を期待すると肩透かしになってしまいますよ(劇場で“おおいびき”で寝ているお年寄りがいらっしゃいました―芦川いづみさんのアップのシーンで眠るなんて!)。

ひとりの帰還兵の行動の謎を巡って、新聞記者が関係者や周囲の人々に聴き込んだ結果辿り着く真相を実力派俳優陣の名演で見せる作劇で、次々と証言する―渡辺美佐子、佐野浅夫、芦川いづみ..らによって次第に浮かび上がってくる“戦争の真実”は、普遍的であるが故に明晰な罪の意識を呼び覚ますのであります。

俳優が本業の宇野重吉は、役者の演技を粘り強く撮って“役者監督”の持ち味を生かして画面作りをしていますし、ゲスト&友情出演の小沢栄太郎、芦田伸介らも見つける事が出来ます。そして、主演の大坂志郎は戦争に参加した全ての日本人を代表するキャラクターを体現して見事であります。
ヒロイズムも散華の美学すらもない虚飾の無い“いおうとう”のお話ですが、戦争の真実への“行動の真相”への推理的な興味で引っ張る作劇は、「羅生門」や「ゆきゆきて神軍」の様な知的娯楽性も提供してくれますし、戦争という非人間的行為に対して“個人のレベルで罪の意識をどう処理するか?”という真摯な問題について鑑賞後も考えさせられる映画であります。

ねたばれ?
1、戦前は島名を、陸軍と島民は“いおうとう”、海軍は“いおうじま”と呼んでいました。米軍は海図に乗っていた“いおうじま”の呼称を採用し、戦後の日本でもこの呼び名が広まっていましたが、元島民の要望もあって国土地理院では、2007年9月発行の地形図から、ついで海上保安庁の発行する海図でも「いおうとう」が正式な表記となっています。

2、で、どうして妹の名字が変わっていたの?

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