浮草
作品レビュー(53件)
- med********
4.0点
小津安二郎監督の作品が好きで年に1本を目標に観てます。 本作、初見です。 一番好きな作品になるかもしれません。 いつもの感じでキャメラに向かって話しかけるような手法に手をとられ、自然と2時間身を置いてしまいました。 絶妙な間合いやカット、優しい音楽、昭和を懐かしく感じながら心地よかった。 映像が素晴らしいですね。 タイトル通り、人生の難しさ、儚さを描いていて畏れ入りました。 京マチ子、若尾文子はその後、山田洋次監督が寅さんマドンナに起用していて、この作品に影響受けたんだなと思いました。 ラストの駅待合室のシーンは面白くて笑いが出ました。 現代ではYouTubeの動画のように早いテンポが受けていますが、本作はYouTubeに反して緩~いテンポなのですが、その間合いが本当に絶妙であり、味があります。 また、こういう作品が海外から評価されているというのは日本人として光栄です。 本当、観ることが出来て良かった作品だと思ってます。。
- 微糖コルレオーネ
4.0点
愛憎劇をここまで物静かにやるのがすごい。小津安次郎監督の浮草、昔から聞いたのですが本格的に鑑賞! 独特の構図はこの映画の中でも健在、まるで視聴者にかたりかけているかのような真正面からのカメラワーク。最初は非常に違和感を覚えたがだんだんと慣れてきて、自然な演技する役者さん達に、自分もこの映画に参加していると言う錯覚に陥りました。 今でいう「メゾット」に頭がいっぱいで、狙った芝居や演技ばかりする役者の目を覚まさせるには充分だと思います。 日常生活である自然こそが1番出しにくい芝居なのだ! 冒頭の劇団がふざけあってみんなで「♪忘れちゃいやよ 忘れないでー」を歌うシーンがなぜか二週目でジーンときた。
- たーちゃん
4.0点
ネタバレお父さんなら、また旅に行きやった
このレビューにはネタバレが含まれています。 - WXYは知ってても、それだけじゃ
4.0点
子供と釣りをする時の無邪気さ、 悋気を含んだ女との諍い、 子を思う親としての心情、 拠り所を失くした二人が共惑して煙草を付け合うラストシーン。 切ない。
- flo********
4.0点
映像美!
- yam********
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - gog********
5.0点
小津作品を始めてみました。 人物それぞれ脇役に至るまで個性があり魅力的。鴈治郎や京マチ子杉村春子は、それぞれ違いはあれど舞台で鍛えられた人だから所作も美しく表現力があり、さすがだと思う。市井に生きる人の哀愁と情と強さが感じられて、なおかつ品格も感じられる。昨今の役者さんも上手い人はいるが、この前向きな哀愁を演じれる人はいないのではないか?若尾文子と川口浩は若々しく、ラブシーンも印象的で美しかった。 鴈治郎と京マチ子の雨の中の罵り合いはやっぱり圧巻。2人の関西弁のやりとりも小気味よくて良かった。
- ot1********
5.0点
小津さんは一貫してものの哀れを描いてますが、この浮草も、男女間の哀れ、親子間の哀れ、一座の哀れを描いてます。中村鴈治郎と京マチ子が通りを挟んで土砂降り雨の最中互いに罵り合うばめんが有名ですが、個人的には川口浩と若尾文子が向かい合い、若尾文子の表情にはスポットライトがあたりセリフがあるのに川口浩は顔が真っ暗で表情は?、セリフもない。まるで若尾文子の一人芝居のようなシーンがあり、こちらの方が印象に残りました。小津さん独特のセリフ回し、間、カメラ割もお馴染みで何回も繰り返し観たくなる作品です。
- bar********
5.0点
ネタバレ小津安二郎監督の佳作
このレビューにはネタバレが含まれています。 - mxe********
4.0点
小津作品では珍しい、カラー映画。名カメラマンの宮川氏による美しい映像。 特にすごい景色っていうわけじゃないのに印象に残るのはさすが。 特に、雨を挟んでの夫婦喧嘩の映像は忘れられない・・・ 「感情」を極力排したセリフ回し、1mmも動かないカメラワーク、映像を邪魔しない音響、主張しない音楽・・・どれも小津ならでは。
- met********
3.0点
曽根崎 お初と徳兵衛 心中して何が悪いんじゃ 奴は商人(あきんど)の面汚しじゃ 一途に見つめる先はあんよを撫で摩る男と添い遂げる道 今度生まれ変わったら…
- shinnshinn
5.0点
三井弘次「おい、腹へったなぁ」 潮万太郎「うん、エビの天ぷらか何かでよ、冷てえビールをグゥーとなぁ」 三井弘次「うん、扇風機か何かが回っちゃっててよ、本当に食ってる奴だっているんだゼ」。 これが1959年の普通のおじさんの贅沢だったのかもしれない。えびの養殖がまだ発達していなかった当時だったら、天ダネの中でも海老は格段に高級品だっただろうし、ホッピーがビールの代替品として発売されたぐらいだから、ビールだって結構贅沢品だったはずだ。扇風機だって一般家庭に100%普及していたかどうだか・・・。やっぱり、今はいい時代なのか?。 小津監督の映画は明るくていい、前向きでいい。意味不明でもなければ、衝撃のラストもない(笑)。
- ika********
5.0点
大映で撮ってもすっかり一緒。実は結構深刻なんだけれど、変な面白さがある。相変わらずの構図と相変わらずの音楽。場面にあってるんだか、あってないんだか。そうして赤。 こういっちゃあなんだが、みんなうまいわ。演技ってこうなのね、ってことがわかる。こんな映画、今の邦画じゃあ撮れない。撮るべき俳優がいない。 アメリカ的劇的なドラマはないが、いい映画でした。見た甲斐がありました。飽きさせない2時間でした。今の若い子たちはこの映画を見ていられないだろうね、なにも起伏がないから。 今では完全になくなった、煙草の貰い火が懐かしかった。あれ以外に、直接吸っている煙草に押し付けて火を貰う仕草も、昔はあったよな。こういう仕草は、今後時代考証で顧みられるのだろうか。
- bbs********
4.0点
説得力ある台詞と間、本音丸出しでぶつかる凄さ、これも相手を知り尽くしてのこと、座長の男らしさに惚れる女、その座長の弱さも知ってい女。男として、あまりにも、かこよすぎる座長、どんなに貧相でも座長について行きたい信頼感。最後に女が座長に対して、プライドを捨てさせる、男ならプライドがじゃまをして前に行けないことがあると思うが、まさに、それを知っていた女。しかし、このあたりの台詞は最高ですね・・・・・・・・・ やっぱり若尾文子、最高 .
- kun********
3.0点
彼の人生に翻弄される人々の話。 彼自身自分の人生は真面と思って無いのがいやはや。 現代は多様性の時代で、当時の常識と幾分違うので、其処は戦後の日本の世界。 どさ回り劇と蔑称された様に、昔は中央と言うか大歌舞伎やメジャー映画世界 の演劇人と比べようもないレベルと思われてた。 今でも多少その向きもあるけど、当時程の差別は無い。 今特にネット配信の時代で、ど素人が歌やコントを披露、芸が特別な人たちの 物でも無くなった。 その気に成れば自分で映画を作り配信する事は誰でも可能だ。 旅から旅への浮草暮らしが題名。 常に別れが付きまとい哀愁がある。 その反面無責任。 その無責任さが結局自分に返って困窮する様が笑いを誘う。 しかし、ああやって女を振り回す人生はうらやましくもある。 振り返れば、石橋を叩く方だったし、それが結局は普通に暮らせる事で、真面目な方が結局は薬局でしょうね。
- tsu********
4.0点
2017年6月、USにて鑑賞。 見どころは、 ・50年以上も前の邦画を、USにて鑑賞できること自体が、いかに小津安二郎の映画が海外でも評価されているかという証 ・ちなみに英語タイトルは、「Floating Weeds」 ・映画は、所詮、浮草のように現実離れした稼業で、社会性なんて必要ないのよ、と開き直っている監督の晩年のメッセージ ・ソース顔の京マチコと醤油顔の若尾文子の美女の競演 ・住宅、小道具、衣装などすべでてどっぷりと昭和しているノスタルジー 映画職人のマスターたちが作るスタイルを味わう楽しみに、必見の★★★★
- yok********
5.0点
美しい。全てが美しい。画作りも、背景も、言葉、演じる人も、ストーリーも。 日本ってこんなに美しいんだと思い知らされた。 この感銘は言葉にできない。
- d_h********
5.0点
ネタバレ蘇る江戸っ子小津の心意気
このレビューにはネタバレが含まれています。 - pop********
5.0点
まるで数百年前から語り継がれる古典落語の大ネタのようにまったくすきがない。 小津といえば東京物語という風潮が全世界的にすっかり定着してしまった感があるが、それは間違っているのだとこれを見てはっきりと悟った。 小津作品をまだすべて見てはいないのだが、この浮草の次に素晴らしいと思うのは、今のところ東京暮色である。 その3 浮草 その2 どん底(黒澤明) その1 橋(ベルンハルト・ヴィッキ)
- snt********
5.0点
下のレビュアーさんと、びっくりするぐらい同じ