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昼下りの暴力

bakeneko

5.0

ネタバレ朝も夜も暴力で戦っていますが…

複数の登場人物の欲と裏切りが絡み合うドライなサスペンスノワールで、通常の明朗単純な日活活劇の勧善懲悪路線とは異なった展開の息つく間もないどんでん返しの連続を堪能できます。 チンピラ同士の諍いから始まって、麻薬の密輸に初めて手を染めようとする老舗ヤクザ組織内部の裏切りと策謀が交錯する犯罪ドラマで、義理や仁義といったウエットな感情皆無のドライな欲望のぶつかり合いと偶然によって転がって行く事件の顛末は予断を赦さない緊迫感に満ちています。 主要な登場人物や大物俳優も次々と死んでゆくので、“一体最後は誰が生き残るんだろう?”とハラハラしながら画面を見つめるサスペンススリラーで、1950年代後半の箱根山中や、まだ砲台が原型を留めていた東京湾海堡(=東京湾周辺の防衛を目的に設置された要塞)などの風物も当時の時代を感じさせます。 まるで「現金に手を出すな」などのフレンチノワールの様な、ドライで先の読めない犯罪スリラーという、日活活劇としては異色の作品で、“ドンドンドコドン…”と陰影の強いモノクロ画面のバックで鳴り響く、27歳の山本直純の若さが弾けたジャズ風のバックミュージックは躍動感抜群ですよ! ねたばれ? “女の感”って鋭いなあ~

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