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雪之丞変化 (1959)

監督
マキノ雅弘
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3.00 / 評価:4件

大川橋蔵、淡島千景、大川恵子が魅せる

  • oldfilmer さん
  • 2010年6月6日 0時18分
  • 閲覧数 2170
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

   三上於菟吉(おときち)が昭和10年から11年にかけて朝日新聞に連載した同名の小説が原作になっている。最初の映画化はその直後に行われ、主人公、雪之丞を長谷川一夫が演じていた。今回の「雪之丞変化」は戦後3作目に当たり、大川橋蔵が雪之丞を演じている。
  時は、将軍家斉が統治する頃、長崎奉行土部三斎(どべさんさい;進藤英太郎)が長崎の商人、廣海屋(ひろみや;澤村宗之助)と結託し、松浦屋に抜け荷の濡れ衣を着せ、死罪を言い渡したことで、妻のお菊(千原しのぶ)が後追い自殺をすることから、松浦屋は崩壊し、遺された遺児、雪太郎は旅芸人の一座に拾われ、その座長、中村菊之丞(片岡仁左衛門) に役者として育てられ、雪之丞という名で名声を得る。その名声が江戸にも届き、江戸の中村座で興業を打つことになったが、ひいき筋の中に、父の敵、土部三斎の名があることを中村座の頭取(水野浩)から知らされた。菊之丞と雪之丞はいよいよ仇討の時節到来と喜ぶが、菊之丞は雪之丞に軽はずみを慎み、じっくりと腰を据えるよう諭す。
 その頃の江戸は廣海屋とかつての長崎の松浦屋の手代だった長崎屋(吉田義夫)が米を買い占めて、米価格が高騰し、庶民が塗炭の苦しみを味わっていた。そのため、闇太郎(大川橋蔵が二役を兼ねる)という義賊が活躍し、闇太郎を大将と仰ぐ一味が日蓮宗の一派を装って廣海屋、長崎屋、そして土部三斎の悪党にひと泡吹かせようと画策していた。その闇太郎の仲間にお初(淡島千景)という姉御肌の女がいたが、お初は中村雪之丞に惚れこんでしまう。ところが、土部三斎の娘で将軍家斉の寵愛を一身に受ける浪路の方(大川恵子)もその菊之丞に心を動かされたことから、恋敵になる。
浪路の方は菊之丞を呼び、恋心を訴えるが、菊之丞は土部三斎の悪行を洗いざらい浪路の方にぶつけると、浪路の方は父親の悪事に愕然として目覚める。そして、闇太郎の一派に協力を約束して、闇太郎に匿われる。
 廣海屋と長崎屋は強欲が昂じてお互いに潰しあい、長崎屋は廣海屋を刺し殺すことで、雪之丞の敵のうち二人が自から姿を消す。残った土部三斎は目覚めた我が娘、浪路をあくまで利用しようと画策し、雪之丞が浪路を匿っていると見て、中村座に殴り込みをかけるが、奉行、安藤左近(若山富三郎)が駆けつけたところに、浪路も姿を現し、父親を難詰する。土部三斎は怒りを露わにし、娘を斬って捨てるが、その瞬間、菊之丞に討たれる。

 本作品では、大川橋蔵が元来の歌舞伎役者としての素養を披露して雪之丞という女形を見事に演じきっているのが注目されるし、二役の闇太郎は映画界に入ってからのキャラクターが活きていると言える。それにお初を演じる淡島千景がまた、婀娜っぽい演技で魅せる。この後のNHKの大河ドラマへの出演を暗示させるものがある。更に、浪路の方を演じた大川恵子が箱入り娘で育って世間知らずの女が、悪行を重ねてきた父親に「下がれ、下がれ。」と命ずるまでに変貌する様を懸命に演じているのが印象に残る。ただ、「雪之丞変化」では伝統化しているとさえ言える雪之丞と闇太郎を大川橋蔵が二役を演じるのは私には違和感として残る。

詳細評価

物語
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演出
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