女経(じょきょう)
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(4件)


  • bar********

    3.0

    役者地獄

    女経。増村保造、市川崑、吉村公三郎の三人の監督によるオムニバス。内容は特別な女キャラクターを主軸にした恋愛系映画。もちろんそれぞれの監督によって味はまったく違う。 まず増村監督。私は『陸軍中野学校』が好きなので、結構期待していたのだが、見事に裏切られた。『セックス・チェック - 第二の性』でも思ったのだが、この監督は、得意な作風とそうでないものがあるのかもしれない。私はこの作品を見て、出てくる役者の粗の多さにがっかりさせられたし、それを主軸に据えてくる増村監督もよく理解できなかった。明るいストーリーであるものの、役者が主体となっている映画で、あれほどの演技の低レベルなさまは、とうてい見ていることができない。映すべきでないところを映し、映すべきところを映さない監督のやり方もまた理解できない。 次に市川崑監督だが、一目見て、増村監督とは実力が一段違っていることに気が付く。市川監督は構図にきちんと意図を持たせているし、演技指導も比較的きちんとしている。出すべきでない役者は出さないし、効果的な角度から撮影する気配りも見せている。 ただ、さすがにこの企画ものとは市川監督は合っていないように感じられる。彼の実力の高さは理解できるのだが、こういった世俗的な企画ではうまく彼のやり方が生かされていないように感じられる。市川監督の表現方法は慎重で細かい配慮を特徴としていて、そこから生み出される質の高い情感があるのだが、世俗的な主題では、主題の性質によって、表現に間の長さが加わることによって、良さが相殺されてしまうのだ。市川監督は、やはりピリッとした映画だ。それ以外では良さが生きてこない。 次に吉村公三郎監督。この人は初めて。だが増村監督よりも感心できなかった。役者が悪いのはまったく同じだが、演出やカットのキレが悪い。間延びした不必要なシーンがある。これは単純に技術の問題だと思う。細かい配慮が全体的に足りてない印象が起こった。 この3編の映画を見て、もっとも印象的だったのは、役者の出来の悪さだった。だけど、いい役者がいなかったわけではなくて、悪い役者が幅を利かせすぎていることが問題なのだ。そうすると、いい役者も画面に平凡な印象しか与えなくなる。市川崑監督だけはなんとか我慢できるレベルだったが、企画の趣旨と合っていないと強く感じられ、この作品自体、見る価値がないものと感じてしまった。

  • ********

    5.0

    同じ結末とはいえ・・・

    1960年。増村保造、市川崑、吉村公三郎監督。村松梢風の小説を三話オムニバスに。それぞれ若尾文子、山本富士子、京マチ子が主役となってそれぞれの女性の金と愛をめぐる話になっています。残念なのはみんな結論は一緒で「それでも私は金のために生きるわ」という女性が一人もいないこと。いずれの話も最初は金を目的に生きている女性が最後に愛の大切さに気付くということになっています。原作がそうなら仕方がないけれど。 それぞれ監督の特徴がでていておもしろい。増村監督は若尾文子を使うところですでに監督らしいのですが、嘘をつきまくって男を手玉に取るホステスが本当に惚れてしまった金持ちのぼっちゃんとの愛から身を引く話。全編まったく暗いところがない。映像にも影がないし、若尾文子もずっと明るい。 市川監督は前半の山本富士子が謎を振りまき、後半で謎解きというミステリー仕立て。暗いばかりの前半と明るい後半が対照的です。前半は幽霊のような山本富士子が愛を見つけて最後にみせる明るい笑顔がすばらしいです。ミステリー映画の監督。 吉村監督は京都の町のロケ撮影がとにかくすばらしい。薄い青色のような空気。クレジットの3人のカメラマンは誰が何話を撮ったのかわかりませんが、まず間違いなく宮川一夫が撮ったのでしょう。屋内撮影でも陰翳が効いていて、金と恋をめぐる京マチ子の心中を光と影で十分に表現しています。3話のなかではこれが一番すばらしい。

  • どーもキューブ

    5.0

    3巨匠女のみちすじ

    増村保造、市川崑、吉村公三郎監督3巨匠の素晴らしい女性の経が奏でられます。増村・若尾の明るいバーのホステス。艶艶で綺麗だー若尾様。このようなお方は今もなお沢山存在するでしょう。山本富士子が幽霊のような?女性を演じます。市川崑が2人の顔を執拗に捉えます。ラストも伏線利いた加減がグー。吉村監督、京マチコのラスト。中村お爺様がサラッとでますが、非常に上手すぎ!京マチコのビシバシやり手のお姉様から女性に。タバコがやけに似合っている。1960年にして贅沢な一作。表題の各タイトルにあった素晴らしい三人。左幸子、テレビで馴染みの市田ひろみ、浦辺くみこ。ラストも超ハイカラで可愛いオマケクレジット!

  • har********

    5.0

    力量がありますね

    三部作ですが、個人的に好きなのは二話山本富士子さんです。若尾さん、マチ子さんの映像も見応えあります。各名監督の力量がいかんなく発揮されています。今の時代にはとても作れないと思われ、監督、照明さん、道具を始め裏方さんの職人堅気も見え隠れします。日本映画はやはり昭和で終わってしまったのかな。言いすぎですかね?

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