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女経(じょきょう) (1960)

監督
増村保造
市川崑
吉村公三郎
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3.47 / 評価:17件

役者地獄

  • bar******** さん
  • 2018年2月3日 19時08分
  • 閲覧数 483
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    • 総合評価
    • ★★★★★

女経。増村保造、市川崑、吉村公三郎の三人の監督によるオムニバス。内容は特別な女キャラクターを主軸にした恋愛系映画。もちろんそれぞれの監督によって味はまったく違う。

まず増村監督。私は『陸軍中野学校』が好きなので、結構期待していたのだが、見事に裏切られた。『セックス・チェック - 第二の性』でも思ったのだが、この監督は、得意な作風とそうでないものがあるのかもしれない。私はこの作品を見て、出てくる役者の粗の多さにがっかりさせられたし、それを主軸に据えてくる増村監督もよく理解できなかった。明るいストーリーであるものの、役者が主体となっている映画で、あれほどの演技の低レベルなさまは、とうてい見ていることができない。映すべきでないところを映し、映すべきところを映さない監督のやり方もまた理解できない。

次に市川崑監督だが、一目見て、増村監督とは実力が一段違っていることに気が付く。市川監督は構図にきちんと意図を持たせているし、演技指導も比較的きちんとしている。出すべきでない役者は出さないし、効果的な角度から撮影する気配りも見せている。
ただ、さすがにこの企画ものとは市川監督は合っていないように感じられる。彼の実力の高さは理解できるのだが、こういった世俗的な企画ではうまく彼のやり方が生かされていないように感じられる。市川監督の表現方法は慎重で細かい配慮を特徴としていて、そこから生み出される質の高い情感があるのだが、世俗的な主題では、主題の性質によって、表現に間の長さが加わることによって、良さが相殺されてしまうのだ。市川監督は、やはりピリッとした映画だ。それ以外では良さが生きてこない。

次に吉村公三郎監督。この人は初めて。だが増村監督よりも感心できなかった。役者が悪いのはまったく同じだが、演出やカットのキレが悪い。間延びした不必要なシーンがある。これは単純に技術の問題だと思う。細かい配慮が全体的に足りてない印象が起こった。

この3編の映画を見て、もっとも印象的だったのは、役者の出来の悪さだった。だけど、いい役者がいなかったわけではなくて、悪い役者が幅を利かせすぎていることが問題なのだ。そうすると、いい役者も画面に平凡な印象しか与えなくなる。市川崑監督だけはなんとか我慢できるレベルだったが、企画の趣旨と合っていないと強く感じられ、この作品自体、見る価値がないものと感じてしまった。

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