レビュー一覧に戻る
大いなる旅路

たーちゃん

3.0

ネタバレ「長い旅だったねぇ」「まだこれからですよ」

鉄道マンとして蒸気機関車の機関士として人生を送る岩見浩造(三國連太郎)の人生に起こる事を戦前戦中戦後と過ごして優秀な鉄道マンとして表彰されるところまでを描いています。 同期の佐久間太吉(加藤嘉)は東京の教習所に合格し、出世街道を歩みます。試験に落ちた浩造は機関助手からと現場での腕を磨いて機関士へとなっていきます。 その中で浩造は雪のホームで偶然に出会ったゆき子(風見章子)と結婚し、三男一女をもうけていきます。 子どもは成長するにしたがって長男の忠夫(南廣)は徴兵に出されて死亡してしまいます。次男の静夫(高倉健)は浩造と同じ鉄道マンとなり、特急「こだま」の運転手となります。 同期の佐久間が車掌から駅長、最終的には新橋駅の駅長にまで出世します。しかし静夫の結婚相手が佐久間の長女の芳江(八代真智子)と結婚して、浩造と佐久間は親戚となります。 三男の孝夫(中村嘉葎雄)は予科練に入りますが、終戦を迎え軍隊から放り出されるとろくな仕事にもつけず結局結核で亡くなってしまいます。長女の咲子(小宮光江)は不良の男と結婚して浩造から勘当されてしまいます。結果男から捨てられてしまいますが、家に帰ってきた咲子を浩造は許さず、家から追い出してしまいます。結果名古屋の木材を扱っている神崎五郎(山本麟一)と出会い、貧しい中でも幸せな家庭を築きます。 老夫婦となった浩造とゆき子は貧しいけれども立派な鉄道マンとしての晩年を迎えるのでした。 雪の中の蒸気機関車での撮影は、とても迫力があって見ごたえのある映像です。当時は特撮もどこまでやられたのかと思うとほとんどが実写かもしれません。雪の中を窓も何もなく、吹きっさらしの運転席で、釜焚きをしながら走る機関車内での撮影は寒かっただろうにと思います。特に機関車が脱線する迫力はものすごいです。おそらくほとんどがスタジオセットだとは思いながらも、ロケ部分もあったと思いますし、実際の運転士はこういう状況の中で勤務していたんだと思うと大変さが伝わってきました。 ちょっと違和感を感じたのは脱線事故を起こす事で、それまで自堕落な勤務をしていた浩造が改心します。この事故で機関士の橋本(河野秋武)が亡くなったにも関わらず、機関士というのは人の命を預かっている大事な職業なんだと改めて機関士への希望を笑いながらゆき子に話すシーンがあります。先輩機関士が亡くなっているのに、このリアクションはないなと思いました。 戦前戦中戦後という時代の流れの中で、必死に生きてきた鉄道の仕事に従事していた岩見浩造の生きざまはとても立派だと思います。またそれをグチひとつ言わずに従っている、ゆき子の生き方も日本の母を見事に表現していました。 いい映画なのですが、一つ一つのエピソードに発展性がありません。一鉄道員の生涯とその子たちという壮大な話を1時間30分くらいにまとめているのでどうしても希薄になってしまうので仕方ないとは思いますが、もったいないです。 高倉健さんが三國連太郎さんの息子役というのは意外なキャスティングで笑ってしまいました。可愛い健さんがいます。 昔の鉄道の映像とともにレアな映像満載な映画です。 そういう意味でも貴重な作品だと思いました。

閲覧数15