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秋日和

秋日和

128

エル・オレンス

5.0

ネタバレ小津映画5本指に入る面白さ!

(特に戦後の)小津映画を沢山観ていると、他作品と似通っていると感じることが結構多いですが、本作は別です。他作品に無い別格の面白さがあると思います。 個人的に、『晩春』(1949)『東京物語』(1953)『彼岸花』(1958)『秋刀魚の味』(1962) と併せて5本指に入ります! 軽妙なテンポ&台詞回しが素晴らしく、映像の大半が顔真正面カットの演出(笑) にもかかわらず、グイグイ引き付けられてあっという間の2時間です。 原節子(秋子)&司葉子(アヤ子)の親子コンビが本当に華があって最高ですよね! 特に原節子!あんな女性が嫁に来てくれたら、誰でも歓喜しちゃうでしょ!彼女が20代の娘の立場だった『晩春』(1949) と比較してみるとまた感慨深いです。 2人をなんとかしようと模索するお節介オジサマ3人組もコミカルで笑えるw 「彼が、君が見合いを断った男だ」と本人の前で直接言ったり、「母と娘2人一緒に片付けよう」なんて言ったり、ドン引きエピソードいっぱいあるけど(笑) アヤ子の友達役の岡田茉莉子のキャラもとても魅力的です。ああいう風に自分と真剣に向き合って本気で考えてくれる女友達って中々いないと思うから、アヤ子は恵まれてるなぁと羨ましくなっちゃうほどです。わんぱくオジサマ3人組をあっさり手懐けちゃうのも凄い(笑) OLの端役で登場する無名の岩下志麻もファンには見所。台詞も無いですが、劇中で何度も登場するので、この頃から彼女をのちに主演させたいという小津監督の強い思い入れとかあったのかなぁと思ったり。 にしても、小津映画を観るたびに思うんですが、当時の結婚観ってこんな感じだったんでしょうかね。晩婚・未婚の増加や少子化が言われる昨今の日本を生きる若者が彼の映画を観たら、かなりインパクトあると思います。でも、劇中のこういうお節介オジサマ・オバサマって、昔だけじゃなく今も、ある程度存在した方が良いと思うのは、自分だけじゃないはず。自分の力や意志でなく、誰かに背中を押されてはじめて未来を切り開けることって、多いですよね。

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