宮本武蔵
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(6件)


  • とみいじょん

    3.0

    壮大なる一代記のプロローグ。

    吉川氏の『宮本武蔵』を原作として、5本に分けて撮った、その第一作目。  『バカボンド』等でなじみのある方にとっては興味深い章であると思うが、一般的にイメージする剣豪・宮本武蔵の姿はここにない。  それどころか、拝一刀や『柳生一族の陰謀』で知る萬屋錦之介氏の姿もない(ラストに面影があるか…)  映像的な工夫も、昨今の凝ったものを見てしまうと、終盤亡霊が出てくるシーンは凝っているが、それ以外は、あんな大杉のあるお寺を良く見つけてきたなとかくらいで”普通”に思えてしまう。  なので、獣みたいな武蔵(タケゾウ)が、わあわあ言って、村がかき回されて、時代劇でおなじみの武士が出てきて食傷、くらいの印象でスルーしてしまいそうになる。  物語の中盤で、和尚が如何に生きるべきかをタケゾウに説く場面にいろいろ考えさせられるけれど、まだプロローグ。”前振り”的な印象。  タケゾウと通も…。  又八の物語は、ややこしいことになりそうだなと思う反面、身を乗り出すほど引き込まれるまでにはいかない。ほんのさわりしか描かれない。  だが、その”普通”に見えるセットがすごい。時代考証を隅々までしているのではないかと思える造り。花祭り。仏壇。家の造り。着物の着方…。(歴史に詳しくないのであくまで印象)  そして、スルーしてしまいそうになりながらも、映画を観続けさせる役者の力。  出色は三國氏の演技。  私的には”顔の濃い一族”。背が高く、足も長い。なので歩く姿は、私がイメージする和尚っぽくない(日本人離れしている)。なのだが、第一声は笠智衆氏の”御前様”をイメージしてしまった。印を結ぶ姿、あぐらから立ち上がる所作。すべてが美しい。  飄々として、のらりひょんの風体をしながら、不動明王的な様相も見せる。「仏に逢うては仏を殺し…」という禅の言葉があるが、そのイメージを体現。何を考えているのかわからないが、芯(信)がある。でも、軽妙に人を煙に巻いていく。なのに、不思議と慈愛を感じられて、わざと人を陥れるようなことはしないだろうと思えてしまう。  なので、三國氏演じる和尚を疑う側ータケゾウ・おばば・青木…-の、己の欲まみれになっている姿が、浮かび上がってくる不思議さ。  こんな風に演じられるなんて!  その三國氏に対する萬屋氏(この当時はまだ中村氏)。  上記のような剣豪のイメージで観ると、へっぴり腰で、棒切れ振り回しているだけで、形もできておらず、なんだこれと思ってしまう。声も調子はずれ。時折、裏声のような叫び声をあげる。  だが、演じているのは、腕っぷしが強いだけの、剣道も習ったことのない青年。幾つの設定だろう?20歳前後か?もっと若い設定かもしれない。そう考えると、声の出し方から、棒の振り回し方から、何から何まで、役に合わせて作りこんでいる。惜しむらくは、萬屋氏この映画公開時の実年齢が29歳。アップになると、やはり青二才には見えないところか。  いろいろな評を読むと、萬屋氏にとって、この連作映画は転換期だったらしく、武蔵の成長とともに、萬屋氏の演技の成長も観られるという。 年齢で言うなら、木村氏もすごい。映画公開時38歳だが、モラトリアムの青年に見える…! ”強さ”を追い求めた男・宮本武蔵。それはのちに『五輪書』に結実する。兵法書と聞くが、人生の指南書として挙げる人もいる。 その生涯が今ここに始まる。 5作全編を通して鑑賞した後だと、評価が変わるかもしれない。そんな予感を感じさせる第1作であった。

  • ken********

    3.0

    暴れん坊だったのね。

    デジタルリマスター版。 5部作の1作目。 まだ、宮本武蔵と名乗る前の暴れん坊時代。よく叫ぶね。 裏切られまくりのむちゃくちゃな頃だね。 このころのこと知らないので、新鮮だった。 景色や家がほんと昔の時代っぽくていいな。 最近のドラマや映画だと、なんかおしゃれっぽくて。 沢庵坊主がいい味出してると思ったら、三国廉太郎さんか。さすがですね。 何気におもしろかった。

  • sen********

    4.0

    つっこみどころ満載のドラマとは偉います

    吉川英治の原作の大河小説が原作で、中村錦之助主演の五部作の第一部です。 宮本武蔵と云えば、近年でいうとマンガの『バガボンド』が秀逸ですね。 絵の素晴らしさもさることながら、主人公のたどる哲学的な道の描き方は、ある意味で原作を越えています。 で、こちらの映画はかなり原作に忠実で、野性児のようなタケゾウが、やがて武蔵となっていく過程を描いています。 先日、キムタク主演のドラマがありましたが、あれはいけません(勿論、中谷美紀さん目当てで観たのですが、出番が薄くて残念でした)。 この映画が5部作であるところ、二夜連続放送に短縮する過程で、原作無視のとんでもない脚本。 吉岡清十郎と伝七郎が、一度になぜか三十三間堂でやられちゃったり、壮絶なる伊織のエピソードが単なる福君ドラマになっちゃったり、剣を海に捨てたかと思うと、後にそれが浜辺に埋まっていたりして。おいおいさびちゃうでしょーって思わずツッコミ入れたくなりました。 キムタクの口元もぐもぐ演技は、まるで現代劇みたいで安っぽすぎます。 やっぱり、この映画の方がいいですね。

  • ayutakaringjets

    4.0

    男だから・男ならば・男として④

    コミック「バカボンド」の影響で観ました。 同じ、吉川栄治原作でしたので、非常に分りやすかったです。 が、本作のエピソードとコミックのエピソードが異なる箇所が結構あります。 こうなると、きちんと原作を読まざるを得ない状況なのは否めません(笑)。 しかし、驚いたのが「沢庵」演じる三国連太郎氏の存在感。 コミックの印象にも近く、中々の男前。 又八とその家族はぴったり。 そして、主人公「武蔵(たけぞう)」。本作では、野生児です。 バカボンドのたけぞうとはスタイルが異なります。。 序盤の立ち振る舞いは、ちょっと子供のけんかのようです。。 コミックの作者の方が本作を観ているか否かはわかりませんが、コミックのキャラクターなどが、似ているような気がします。 コミック好きの方には、一昔前の「宮本武蔵」を映像で暴れているのを楽しんだり、コミックには無い場面やキャラクターを発見するもよし。 映画好きの方は、この作品全部で5部作ありますので、「猿の惑星」「スターウォーズ」 「仁義なき戦い」シリーズのように一遍に観られる楽しみがあります。 刀の時代の終焉を迎えそうな時代背景の中、 「刀バカ」な男たちの生き様、死に様を観るべし!! ※本シリーズの2作目のレビューは「かつらとサラリーマン」についてを予定しています。 <<<余談>>> 邦画のシリーズものとして今非常に気になるのが、 ハナ肇さんの「馬鹿」シリーズ! 「馬鹿まるだし」とか「いいかげん馬鹿」とか、結構あります。 これらの邦題を見かけるたびに「自分のことか?」感じるのは、僕だけでしょうか??

  • いやよセブン

    5.0

    内田吐夢版第一作

    こんなに面白い小説にはなかなか出会えるものではない感じの吉川英治原作。 何度も映画化、テレビドラマ化されているが、この作品がムサシ像を定着させたと思う。 入江若葉の初々しさが、男にとって一つの理想型であるお通にピッタシ。 三国連太郎の沢庵和尚は主役級だ。 おばば、又八、朱美もこれからが楽しみ。 忠臣蔵同様、日本人には欠かせないエンターテイメント。

  • aki********

    4.0

    お吟、ほったらかし

    シリーズ第一作。このシリーズは壮大な群像ドラマである。主演の錦之助はもちろん大熱演だがそればかりが見所では決してなく、三国連太郎のさわやかさ、木村功のダメ男っぷり、入江若葉の初々しさなどが、時に錦之助以上に目立ってとても魅力的だ。 この作品でのタケゾウは喜怒哀楽が剥き出しで、ある意味では2作目以降の求道者然としたムサシ像よりも魅力的だと思う。顔が黒すぎないか?ってのがちょっと気になる点だが、白塗りスタアからの脱却を目指す錦之助の気合はひしひしと感じられる。 しかしそれを超えるのが、三国連太郎の悠々爽々とした沢庵のキャラクター作り。この映画を見るのは、もう5回目ぐらいだけど、見るたびに三国の演技の素晴らしさに見入ってしまう。 ところでお吟はどうなった?何度見てもわからないので、いつも気になる。

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