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大学の若大将 (1961)

監督
杉江敏男
  • みたいムービー 4
  • みたログ 77

3.83 / 評価:24件

若大将はニッポンのスーパーマン

  • daw******** さん
  • 2008年9月23日 0時41分
  • 閲覧数 411
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

「大学の若大将」は記念すべきシリーズ第一作。
京南大学水泳部に属する若大将こと田沼雄一(加山雄三)の
スーパーマンのような超人的な活躍ぶりがストーリーの柱。

とにかく「若大将」はすごいのだ。水泳部ではエース。それでいて
バンドもやっている。女の子にはもてもて。高齢者には優しく、
喧嘩には滅法強い。普通、これだけすごいと、僻まれたり嫌味くさく
なるものだが、若大将だとすべてがOK。最初から最後まで絶好調、
恐ろしいほど健康的で爽やかなのだ。
この現実には絶対に存在しないと思われる、全く人間臭くない
若大将に対して田中邦衛演じる青大将こと石山新次郎は欲望の塊。
お金持ちのボンボン。お金があることだけが取り柄で、高級車を
乗りまくって女の子の尻を追い掛け回すのだけれど、からっきし
もてない。

バス内で老女に席を譲ったすみちゃーん(星由利子)に好意を
寄せる若大将。すみちゃーんも若大将に一目惚れ。そこへ、青大将が、
すみちゃーんを狙ってやってくる。騙してボートに乗せいきなり、
すみちゃーんに抱きついて例の如く口を尖らせながら
「いいだろー、すみちゃーん、好きなんだよ~」
すみちゃーんが抵抗すると、ビンタを食らわす青大将。
まさに欲望のおもむくまま。
そこへ若大将が颯爽と登場。見事に青大将をやっつけ、すみちゃーんを
無事、救出。かっこいいぜ!若大将。そして台詞も
「ぼかー、女には興味ないけど、すみちゃんは別だ」
(そういうニュアンスでした)

更に若大将の爽やかさは継続。大事な大事な水泳競技会中に祖母
(飯田蝶子)が青大将の車に轢かれてしまう。急遽、病院へ出向いた
若大将の献血が功を奏し祖母はなんとか助かるのだが、そこへ青大将が
(以下の会話はすべてそういうニュアンスということで)
「すまん、田沼よー。俺のせいで水泳協議会に出れなくて」
(おいおい、祖母を轢いたことを謝れよ)
「まだ、大丈夫だ。タクシーで行くよ。」
「だったら、オレの車で送っていくよー」
「ありがとう!青大将」
祖母を轢いた青大将を責めることなく満面の笑みの若大将は、ここでも
爽やかなのでした。そして、間一髪、競技場に間に合った若大将は
リレーのアンカーとして登場し、見事、優勝!
ハッピー、ハッピー。スーパーマンでもここまで出来ません。

この作品を見終えて感じたのが、田沼=若大将=加山雄三が現実感を
持って成立しているいうこと。冒頭で、若大将のような存在はありえない
というようなことを書いたけれども、どうも世の中には一人だけ、
こんなスーパーマンが存在するのではないか。
それが加山さんに他ならない。育ちがよくて多能の加山さんだから、
もしかすると、現実も田沼みたいなのではないかと、それが説得力を持つ。
全く「物語」的で突っ込みどころ満載の作品なのに違和感を持たないのは
加山さんの天性のスター性にこそあると思う。

男なら誰しも超人若大将に憧れるのだけれど、やはり、最後は人間臭い
青大将に自分の姿を重ねあわせ、なんとなく落ち着きのよさを取り戻す。
このシリーズは超人若大将(=それは加山さん自身)を憧憬しながらも
凡人、青大将によってしっかりと現実に根をおろした不朽の青春映画である。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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