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水戸黄門 助さん格さん大暴れ

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3.0

助さん、格さんの青春映画

 「水戸黄門」の物語は徳川光圀の実像とは随分とかけ離れたものであるが、「助さん、格さん」も佐々介三郎と渥美格之進という二人の光圀の家臣をモデルにした明治時代の講談の創作である。  本作品はこの「格さん、助さん」の二人が、水戸藩の登用試験を受け、黄門さんに召抱えられるお話であるが、もともと、創作話であることを踏まえて、思い切り創作を加えて、モダンなお話に仕立て上げている。月形龍之介が演じる「黄門さん」はこれが最後になるが、最後の作品に「格さん、助さん」と「黄門さん」の出会いを描くのも奇妙な因縁である。格さんを演ずるのは北大路欣也、助さんが松方弘樹で、二人とも初々しい若さである。子役から青春を演じる俳優に変貌する過程にある。  水戸藩の城代家老に明石潮、江戸家老に岡田英次、柳沢吉保に小沢栄太郎、将軍綱吉に小柴幹冶を配し、江戸家老が水戸藩の腐敗の元凶である姿が描かれていく。このうち、柳沢吉保と将軍綱吉は、「格さん、助さん」の夢の中に現れるだけであり、その中で天下の悪法として「生類憐みの令」の廃止を将軍に迫るところで目が覚める。「黄門さん」は「格さん、助さん」を伴って、江戸へ実情視察に出掛けるところで映画は終わる。  助さんの恋人として、渡辺マリが登場するが、この映画が制作された1961年に「東京ドドンパ娘」が大ヒットしたことを享けてのことであろう。その他、助さんの母親役に清川虹子、格さんの父親役に田中春男が登場し、愉快な役回りを見事に演じているのが注目される。ただ、黄門さんの存在感の薄い作品であることは残念である。

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