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妻は告白する (1961)

監督
増村保造
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4.05 / 評価:59件

愛にかける女の凄み

  • おーるどぼーい さん
  • 2008年6月27日 22時26分
  • 閲覧数 614
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

不幸な結婚をし愛に飢えた女が、愛のために取った行動とは。

「女の心にあるのは愛だけ」
「愛のためならどんな犯罪もする」

本作のテーマはズバリこのセリフ。北アルプスで、大学助教授が転落死する事件が発生。だがその妻に対して、ロープを故意に切って夫を殺した容疑がかけられる。今まさに妻を被告とした裁判が開始されようとしていた。

妻(彩子)はなぜロープを切ったのか?検察は夫への殺意からと言い、弁護士は自分の身を守るためのやむを得ない行動と主張する。だが真相は、利己的な理由ではなく、愛する男(幸田)を助けたい一心でとった行動だった。この動機面でのどんでん返し(利己的動機から利他的動機)は結構強烈だ。

裁判シーンも面白いが、見せ場はその後。無罪が確定し、晴れて幸田との愛情を謳歌しようとする彩子と、真実を知り世間的倫理観からそれを断罪する幸田。ついに幸田に捨てられた彩子は、絶望の中、青酸カリを飲んで命を絶ってしまう。愛に命までもかける女の迫力、情念の凄み。その前では小市民的倫理を振りかざす幸田が、いかにもちっぽけな存在に見えた。

若尾文子は幸薄い美女に適役で、見事な熱演である(鼻にかかった声が色っぽい)。特に雨で全身濡れながら幸田を見つめる姿は、色濃い情が画面から溢れてきそうなほど鬼気迫る迫力。小沢栄太郎も妻を結婚に縛り付ける憎々しい夫を巧みに演じている。

思えばこの二人が結婚してしまったことが不幸の始まりであった。そう考えると彩子の愛にかける想いの底には、「愛への飢え」が存在しており、そこに愛に生きる女の哀れさも感じてしまった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • パニック
  • 絶望的
  • 切ない
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