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妻は告白する (1961)

監督
増村保造
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4.05 / 評価:59件

事実は映画より奇なり

結論から言うと、さほど評価できる出来ではありませんでした。

増村保造は東大法学部卒の監督として法廷劇をいくつか撮り上げているようですが、本作はそのうちの一つ。かなりリアルな法廷劇が展開されていますが、私なりに疑問だったのが、殺人罪で逮捕立件されている被告人(若尾文子)がそう易々と保釈が認められるわけはないということと、一審の無罪判決があったところで検察側が控訴するやも知れないのに、弁護士役の根上淳までもが妙な安堵感に浸っていたこと。

まあ以上は瑣末なこととして置いておくとしても、「女の哀しみ」を描いたにしてはあまりにもご都合主義的にまとめられていて閉口させられたことも事実で、川口浩の婚約者役の女優に妙な語り部を強要して教条的に「女とは~」などと語らせている点のみをみても、本作がいかに「失敗作」であったかが如実に表れていたように思います。

確かに若尾文子は綺麗な女優でしょうが、夫殺しの正当性を主張するための自らの身の上の不幸をあまりにも稀薄に描きすぎた点が本作の最大の欠点だったと思います。これが脚本のせいなのか、演出上の問題なのかは定かではありませんが、鑑賞する側にとっては若尾文子の姿からは女の哀しみよりも女の身勝手さとそれに伴う屁理屈しか感じ取れず、結局終盤の立ち居振舞いも昨今流行りのストーカーと何ら違わぬ姿にしか私には映じませんでした。

川口浩も男の純粋さを演じるにはあまりにもその役どころが稚拙極まる設定となっており、男の優柔不断さを論じる以前の問題として、全く共感できるところはありませんでした。

唯一面白いと感じたのは、弁護士役の根上淳が無罪判決を得た後に川口浩に発した「まあ実際にあの奥さんが旦那を殺したかどうかは私も分からないけどね。それよりも緊急避難に関する新しい判例を得られた点が満足だよ。」という台詞が、いかにも法律家らしい、良くも悪くもリアリティに溢れる台詞が盛り込まれていたところだけです。

増村監督はどうも私の趣向に合わない気がしてなりません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 絶望的
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