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妻は告白する (1961)

監督
増村保造
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  • みたログ 154

4.05 / 評価:59件

若尾文子さんの名演

  • gar******** さん
  • 2010年3月7日 22時18分
  • 閲覧数 845
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

滝川綾子(若尾文子)は、登山中に夫(小沢栄太郎)と製薬会社幸田(川口浩)と岸壁で事故にあい、中吊りになり、ロープでナイフで切り落とし夫を死なせる。殺人で起訴された綾子は、裁判にかけられるが…
先日NHKの『スタジオパークからこんにちわ』に、若尾文子さんが出演されていました。今年77歳とは思えぬほどお美しい若尾さん(和服が実に粋でした!)が、最も思い出深いと語ったのがこの作品です。
山で中吊りになった三人の男女。美しい妻を間に、上には妻が密かに心を寄せる若い男、そして下には愛してもいない夫が吊り下がっている…肉体的にも、そして精神的にも追い込まれた人間の所業を実に生々しく、そして衝撃的に描いています。特に秀逸なのはそのストーリー展開。91分という短い時間の中で、ほとんど緩みなく物語を作り上げたという点は見事というほかありません。
そんな衝撃作を彩るのは、やはり若尾文子さんの滝川綾子。生活のため仕方なく結婚したものの、妻を邪険にする夫(見てるだけでムカついてくる親父!)へのうっ屈したした思いを徐々に高めるかたりの演技や川口浩さん演じる幸田への思いをぶつける所のまさに「狂恋」という言葉が似合うような怖さ、そして見る者に同情と憐みの思いをわかせるはかなげなで頼りなげな美しさ…綾子という女の持つすべてを演じ尽くした若尾さんの演技は、確かにご本人が思い出深いと語ったのにふさわしいものがあります。特に素晴らしいのは、ラスト近くぬれネズミのような姿で幸田の会社に現れる時の姿です。相手を金縛りにしてしまいそうな視線を投げかける綾子とその後ラストまでの一連のシーンは、実にスリリングで見る者を驚かせます。
そんな若尾さんを引き立てるのが、小沢栄太郎さんの綾子の夫滝川と綾子が愛する幸田を演じた川口浩さんの二人。特に印象深いのは、小沢さんです。とにかくこの亭主、憎らしい。年の離れた妻を迎えながら、女中のようにただ働きさせ、「子どもを生みたい」という妻の願いさえも打ち砕く…こうやってレビューを書きながら思い出すだけでも実に不快な気分にさせる嫌な男を、短いながらも印象的に演じてます。
衝撃的なテーマを若尾文子さんの名演で見せる一本。生々しい人物描写の巧みさと緩みのないストーリーも魅力です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不気味
  • 絶望的
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