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たたり (1963)

THE HAUNTING

監督
ロバート・ワイズ
  • みたいムービー 8
  • みたログ 50

3.50 / 評価:14件

オリジナルVSリメイク③ オリジナル版

  • カナボン さん
  • 2009年7月2日 22時26分
  • 閲覧数 358
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

さあまたまたやってしまいます、オリジナル版VSリメイク版第3R、まずはオリジナル版選手の入場です!

今日のお題目は「たたり」です。

ゴシックホラーの定番ともいえる、幽霊屋敷物。その中でも第1戦で取り上げた「地獄へつゞく部屋」と本作は古典的名作として知られています。しかしながら、「地獄へつゞく部屋」はちょっと変則的な作品。元祖ホーンテッドハウスものといったら、やはり本作ということになりますか。

実際の話、この映画があまりに良く出来ていて、この後、次々と幽霊屋敷映画が作られることになりました。おそらく幽霊屋敷映画では最も有名なジョン・ハフ監督の「ヘルハウス」が生み出され、近年では「ゴーストハウス」や「ローズレッド」、またちょっと亜流では「悪魔の棲む家」や「ポルターガイスト」も挙げられます。

屋敷の住人が不慮の死を遂げたことを皮切りに、その後移り住んだ人間が悉く逃げ出したり、命を落としたりしている。まあオーソドックスなパターンですわな。そしてその結果借り手がつかず、噂は噂を呼び続ける。そしてこれまた恒例の科学者の実験やら、金持ちの道楽やらの話になっていく。

科学者が出てくる話では、超常現象や霊魂の存在など信じない石頭が自らの誤りを身をもって思い知るケースが多そうですが、案外正統派のホーンテッドハウス物は、そうでもないんですよ。実際本作のマークウェイ博士が演じる科学者などは霊の存在を初めから信じている。まあある意味禁断の実験を行ったがために後悔する展開はどのみち同じといえるかもしれませんが。

監督は名匠ロバート・ワイズ。最近何かとワイズの映画のレビューをよく書かせていただいていますが、「地球の静止する日」と「スター・トレック」でしたね。それと本作、思えば皆リメイクされている。一人の監督の代表作がこれほどリメイクされるケース、非常に珍しい。これもいかにオリジナルが名作であり、かつワイズが名匠である証明ではないでしょうか。

この作品はモノクロ映画です。しかしゴシックホラーとしてモノクロというのは決してマイナスではありません。かえって不気味さや怖さを増幅させる作用があります。だからカラー映画も出始めていた当時でありながら、ワイズはあえてモノクロにしたのではないでしょうか。
キャッスルの映画は同じモノクロホラーでも、キャッスル自身が観客を楽しませることを第一としてエンタメ的な作品にしていたのに対し、本作のワイズ、真剣に観客を怖がらせようと製作に臨んでいたのは明白。「地獄へ・・・」のようなガイコツのダンスシーンなどの今見ると失笑してしまうような描写は皆無。とことんまで不気味な怖さで攻めてくる。

何がそのように感じさせるのか、それは視覚的に楽しませるキャッスルとは違って、心理的に訴えてくる怖さなのです。本作、肝心の幽霊は全く画面に現れません。それでも幽霊の存在を間違いなく感じさせるのは、音での演出。音といっても、静かな場面を急激に大きな音を使ってビックリさせるような幼稚な手ではありません。ドンドンといった振動音などが、徐々に大きく激しく鳴り響き、得体の知れないものが近づいてくる感覚を覚えさせる。誰でも身に覚えのあるような恐怖、“それ”が通り過ぎるまで、息を殺してじっと待つようなジリジリ感。これこそこの映画の描き方なのです。

加えてジュリー・ハリス演じる神経質な霊感鋭い女性の独白をうまく使っている。次第に神経が冒されていく様子を観客に知らず知らずのうちに植え付けていく。演じるハリスといえば、「エデンの東」でジミーの相手役をやった女優さん。流石にワイズが抜擢しただけのことはあります、素晴らしい演技力この上ありません。

そしてこの催しのホストの博士役がリチャード・ジョンソン。この人実は結構ホラー映画の常連俳優でして、マカロニ版エクソシストの「デアボリカ」の悪魔の使徒役などで有名。更にフルチの名(迷?)作ゾンビ映画「サンゲリア」でゾンビに首を噛みちぎられる博士役なども印象深い役柄でした。

今流行りのホラーのようにVFXなどは全く使っておらず、映像は確かに地味なものです。しかしその分、心理的に訴えかけてくる恐怖の演出は、改めて観てみるとかなり斬新に思えます。でもラスト近く、一ヵ所かなりドキッとさせるシーンもありますので、油断は禁物ですよ(笑)

さあ、この心理的ホラー映画を、真っ向からVFXで挑んでしまったヤン・デ・ボン。その出来は如何に、続きは明日のリメイク版で^^

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不思議
  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
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