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タッカー (1988)

TUCKER/TUCKER: THE MAN AND HIS DREAM

監督
フランシス・フォード・コッポラ
  • みたいムービー 80
  • みたログ 620

3.77 / 評価:168件

1940年代後半、元気印アメリカの映画。

  • shinnshinn さん
  • 2019年7月12日 9時01分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

TSUTAYAさんの発掘良品コーナーにて発見。「サスペリア」(77)と本作の2本をチョイス。1988年劇場公開のフランシス・フォード・コッポラ作品です。<神映画>の「ゴッドファーザー」(72)、「ゴッドファーザーPartⅡ」(74)の大巨匠だが、結果論から言えば、それ以外の作品で<傑作>と言える作品は意外に少ない。個人的には本作と「レインメーカー」(97)ぐらいか・・・。確かに「地獄の黙示録」(79)のヘリコプターのシーンはド迫力でスゴイと思う。あれを撮れる監督はそうはいない。「コットンクラブ」(84)も悪くはないが、最後の<夢落ち>ならぬ<カーテンコール落ち>で映画が台無しになったと僕は思う。日本人にとっては、黒澤明の「影武者」(80)をジョージ・ルーカスと共に製作面でサポートしてくれた事に恩義はあると思う。


お話は、伝説の車<タッカー>を作ったプレストン・トマス・タッカー氏の奮闘記。安全面など新しいコンセプトで設計された車を独自に製作し、その夢の車の販売に打って出ようとするのだが、彼は自動車業界の新参者であり、最終的にはビッグスリー(フォード・GM・クライスラー)に潰されます。結局、生産台数は総計で51台でした。タッカー社がどの程度、技術面で競争力を持っていたのかは不明だが、夢と希望、アメリカンドリーム的な1940年代後半の、元気だった頃のアメリカの雰囲気と豪華なセットが素晴らしい。大企業や官僚、政治家に潰された男の恨み節なのだが、最後までトーンはあくまでも明るく軽快です(音楽もいい)。どこの国でも、官僚や政治家にうま味のない起業は、やっぱり潰されるんだろうなぁと。実は、タッカー社に車の頭金は支払ったが、結局、お金は戻ってこなかった多数の被害者が存在したのだが、映画的にそこは伏せてあります。いいお話にしたかったのだ(笑)。


映画の途中でハワード・ヒューズが出て来て、タッカーが握手を求めると、それをさりげなく拒否するシーンがあります。ははーん、これ知ってる。スコセッシの「アビエーター」(04)で見たよぉ。ハワードさんって潔癖症なんだよなぁ。関係ないけど、「アビエーター」(04)も「ギャング・オブ・ニューヨーク」(02)も、アカデミー賞を視野に入れたとき、気合いの入ったときのマーティン・スコセッシはあんまり良くないんだよなぁ(笑)。



主演のタッカーをジェフ・ブリッジスが演じます。ジェフ・ブリッジスで正解だったのかどうなのか、僕にはよく分からないけれど、野心家で負けん気の強いタッカーという不屈の男のキャラクターにはとてもマッチしていました。この人のこの1本を上げるとすれば、美しかったミシェル・ファイファーと共演した「恋のゆくえ/ファヴュラス・ベーカー・ボーイズ」(89)だと思う。「ラスト・ショー」(71)の方がお好きだという方がいたら、そりゃ大変な映画通ですよ。


タッカーの奥さんヴェラ役にジョーン・アレン。昔からよくある、典型的なアメリカの理想的な妻を演じます。自分の意見をしっかりと持っていて、基本はよき妻であり、賢い母である。60、70年代のテレビドラマのハウスワイフはいつもこのタイプだった。


息子役には最近あまり見ない、若き日のクリスチャン・スレイター。タッカーのブレイン役に「スパイ大作戦」(66~73)でお馴染みのマーティン・ランドー(この方は芸歴が長い。同期がステーヴ・マックィーン)。敵対する政治家役にジェフ・ブリッジスの実父ロイド・ブリッジス。メカニック役に日系ハリウッド俳優の草分け的存在、マコ岩松(早川雪洲や上山草人は別格だが)。


あの時代のアメ車のフォルムがお好きなら、目でも楽しめます。映画全体の起承転結のメリハリはやや甘いと思いますが、贅沢にお金はかけています。<力作>と言って良いが、裁判のシーンがもっと盛り上がっていれば<傑作>になっていたかも・・・。


タッカー氏は映画の6年後に53才の若さでガンで亡くなったそうです。やたらとタバコやお酒のシーンが多いのですが、あながち演出だけではなかったのかも。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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