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二・二六事件 脱出

bakeneko

5.0

ネタバレ一番頑張ったのは、あたしだニャン(たま)

実際に憲兵曹長であり「憲兵とバラバラ死美人」等の“推理もの”が得意な小坂慶助の原作“特高”のニュー東宝による映画化作品ですが、フィクション部分は少なめで、実際に2.26事件で起こった奇跡の救出劇をサスペンスフルに再現した“知力脱出サスペンス”の佳作であります。 2.26事件: 1936年(昭和11年)2月26日から2月29日にかけて、日本の陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが1483名の兵を率い、「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げて起こしたクーデター未遂事件-は歴史では習いますが、その実際の事件経過や詳細はあまりきちんと説明されません。 つまり- 直前の選挙戦で、軍部の突出を押さえる勢力が勝利して軍部が焦っていた政治背景、 2.26前後に大雪が降って交通網が麻痺することを予期しての自然現象、 等が本作で説明されて、事件の状況と2.26日に勃発した経緯がよく分かります。 更に実際の事件経過では、“暗殺ターゲットとなった岡田首相ではなく別人を間違えて殺害、首相本人が女中部屋に匿われる”-というあり得ない状況が語られて、“圧倒的勢力で占領されている敵の本営地から要人を脱出させる”という不可能な救出劇に手に汗を握らせてくれるのであります。 物語の主役である-陸軍憲兵曹長特高主任:小坂慶助(映画では高倉健)の自身からなる事件の経過説明や登場人物描写は精緻を見せていますし、陸軍、海軍、憲兵の相克や各大臣の腹蔵なども華燭なく語られて、当時の日本の状況がよく分かる生きた歴史を目撃することが出来る作品で、“事実は小説より奇なり”&“極限状況ではありえない失敗や成功が起こる”-ということを痛感する驚愕の実話サスペンスであります。 みんなが歴史で習った事件の詳細がこんなにスリリングだったことに驚かされる-低予算の作品が多い”オープニングが山のマークのニュー東映”にしては金星級の娯楽佳作であります。 ねたばれ? 1,反乱の主力となった歩兵第3連隊の機関銃隊に所属していて反乱に参加させられてしまった兵隊の中には、小林盛夫二等兵(後の5代目柳家小さん。当時は前座)、歩兵第1連隊には後に映画監督として「ゴジラ」を始めとした東宝特撮映画を撮ることになる本多猪四郎がいました(いづれも身分が低く訳が分からないまま命令されたと言うことで処分無しとなりました-よかったなあ~)。 2,“たま”はどうなったんだ~

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