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私たちの結婚 (1962)

監督
篠田正浩
  • みたいムービー 1
  • みたログ 6

3.43 / 評価:7件

昔は東京湾で海苔を採っていたんだ!

  • bakeneko さん
  • 2012年10月25日 7時22分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

1960年代前半の川崎&羽田を舞台にした青春&社会ドラマの佳作で,恋愛と貧乏生活に揺れる姉妹の青春を活写するとともに,都市化&巨大化していく東京の社会構造の変化も切り取って見せてくれます。

羽田空港の拡張や急速な都市化の影響で漁獲高が激減して困窮している漁師:東野英治郎の娘姉妹:牧紀子&倍賞千恵子の恋と夢と現実を,郊外に跳び出したカメラでビビッドに捉えた作品で,高度成長期を迎えて巨大化していく東京に住む人々の哀歓を若々しい感覚で綴った映画であります。

小津調の“きちっとした構図”とヌーベルバーグ風の“自由奔放に動き回る市街撮影”の混用が対照的な効果を出していて,旧世代と新世代の対比と重なっています。
そして,時代の先端ともいえる川崎の自動車工場に勤める娘たちと,細々と漁業にしがみ付く親世代の困窮が儚い希望とともに示される現実的な作品で,“綺麗事や夢だけでは喰えない”―世知辛い世界を確認させてくれます。

内向的な姉と元気印の妹の対照的な性格もくっきりと描き分けられていて,少女らしい“恋の理想像”に向かって疾走する―まだ大人になる前の(幼顔が残っている)倍賞千恵子が物語を牽引する―スピード感が,深刻&現実の冷たさを凌駕しています。
音楽はずーとカントリーミュージック(ハレルヤ)を変奏しながらバックで流していて,その前向きな陽性感が怜悧な現実を和らげています(逆にいえば,最後の群像切換えシークエンスで暗めの音楽を流すと...悲劇的な感じの締めくくりとなります)。

松竹ホームドラマの形式に,野外の薫風を吹き込んだ作品で,50年前の東京湾にはまだまだ魚がいたこともわかる映画であります(お台場で“イワガレイ”が釣れる―という台詞もあります)。


ねたばれ?
本人(女将)を前にして“こんな店で飲んでいるようじゃだめだ!”―は失礼だと思う。

詳細評価

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