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座頭市物語

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5.0

ネタバレ勝新と 天知茂が 対峙する

浪曲でもお馴染み何度も映画化された・天保水滸伝 飯岡助五郎一家と笹川繁蔵一家の抗争を描くのだが、これに盲目の按摩で剣仕込み杖の居合い抜き名手・座頭市が絡む ヤクザ二大勢力抗争は東宝&黒沢プロ製作・用心棒と同じ型 東映が得意の“正義の笹川vs.悪の飯岡”じゃなく“悪vs.悪” 勝新太郎31歳にして大映入社8年目にして初の当り役を得る。 結核病の剣士・平手酒造(ひらてみき)演じた天知茂も見事 万里昌代は人気女優か?他の傍役たちに著名な俳優は少ない 飯岡助五郎親分を演じる柳永二郎なんて東映では悪役序列で十番目くらいの雑魚 しかし三隅研二監督のキレ味の良さが地味キャストの不満など感じさせず、東宝特撮でお馴染み伊福部昭の音楽が盛り上げモノクローム&シネマスコープの映像美 この年から市川雷蔵と勝新の共演は一部のオールスター物を除き途絶える なぜなら勝新が雷蔵と並ぶ大映の二枚看板に昇格したから 完全な同格扱いの脚本も書き手が不在になったのだろうしポスターと本編の序列が以前(全て雷蔵が先だった)よりは難になり一人一本ずつ別々の映画を撮って儲けたいという永田雅一の商魂だろう。 勝新の決め台詞 ‘俺たちゃなぁ、御法度の裏街道を歩く渡世なんだぞ、言わば天下の嫌われ者’ この意味が今やっと分かった。 ‘俺は、表看板に併映される早撮り低予算の主役(裏街道)が専門だ、評論家や映画通には嫌われ無視される添え物映画、でもそんな俺を迎えてくれる客も居る、だからしぶとくこの業界にいるんだ’ 表看板(表街道を歩く奴)とは勿論、高額予算の傑作か佳作で巨匠と組んだ市川雷蔵を指すが なんだか・リオ・ブラボーで保安官補デュードの直訴‘俺はいつも裏口から入ってきた、たまには表から行きたい’を連想する。 劇中の人物を借りて俳優が本音を洩らしているのだ。 斜陽期に 大映潤す カツライス 62(むに)で始まり 69(むく)に終焉

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