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秋津温泉

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2.0

長門じゃ成立しない

残念な映画。 まず、この映画が成立するには岡田茉莉子がここまで「執着する男」に、敗戦と結核からくるデカダンスとそこはかとなく漂う「色悪」と言ってもいい「男の色気」がなければならない。 池部良、森雅之クラスなら成り立つ「物語」だ。 残念ながら、長門では遠く及ばない。 だから、岡田茉莉子に感情移入できず何でこんな男に、と気持ちが離れてしまう。 映画にも、「女優岡田茉莉子」にとっても、不幸なことだ。 そして、すべてに過剰なこと。 多様され過ぎる音楽の耳障り。 説明過多な演出。 ラブシーンの平板な繰り返し。 小津監督も言ってます。 「説明し過ぎてはいけない。余白を」と。 具体例として、ラストシーンの散る桜。 はらりと散るから、余情がうまれるのに、あんなに散らせちゃいけません。 「浮雲」にゃ遠く及びませんて。

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