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あの橋の畔で 第1部 (1962)

監督
野村芳太郎
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3.75 / 評価:4件

愛の障害としての会社

  • 文字読み さん
  • 2010年5月2日 22時48分
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    • 総合評価
    • ★★★★★

1962年。野村芳太郎監督。数寄屋橋で別れた恋人たちがすれ違いを重ねた末に再び結びつくことはできるのかというメロドラマ。桑野みゆきと園井啓介。菊田一夫原作ですから、なにやらアノ「君の名は」と同じような匂いがします。実際、女の兄が勤める会社の人間関係によって引き裂かれたことに始まる二人のすれ違いは、日本全国をまたにかけて周囲を巻き込んでいきます。第一部の最後は記憶を失った男の手術がおわるまで。果たして記憶は戻るのか。

別れた二人の障害の第一に来るのが「会社」というのが、「戦争」が原因の「君の名は」との大きな違い。黄金の昭和30年代は「すでに戦後ではない」ことが確認できます。桑野の兄の会社人間ぶりとそこからくる嘘の数々がすごい。園井は死んだと思い込んだ桑野が結婚する兄の会社の上司も、その母親(つまり桑野の姑)も絵に描いたような悪役。逆に、園井を愛していながら身を引く左幸子とか、園井を応援する先輩とか、二人を応援する人々もたくさんいて、明治時代の新派劇をみるような伝統的な善悪二元論。

記憶喪失を治療するための血腫除去手術に「ドリル」を使うというすごいことをしています。記憶を取り戻すため、文字通り脳みそをかき回している。これは続きの第二部が楽しみでなりません。術後のうわごとで「洋子さん」(忘れていた桑野の名前)とつぶやいているのだから、ある程度の記憶は回復されるのでしょうが、どうなることやら。

ほとんどズームしたり引いたりしない固定したカメラ、そして頻繁なカットと途轍もなく早い場面展開で、先へ先へとせかされます。それがまた、二人のすれ違いのイライラを助長していくすばらしいメロドラマです。

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