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女の一生

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4.0

増村と京マチ子

増村監督特集 池袋・新文芸座にて鑑賞 京マチ子が明治・大正・昭和と日露戦争から太平洋戦争までの激動の時代、10代~60代までを演じた。 行く当ての無い貧しい少女・けいが、財をなす商家である堤家に拾われる。そして、拾ってくれた「家」に対する恩への忠義、堤家の安泰と繁栄のため、生涯身を削ってまて働くけいだが、次第に家族は離れていく。 3時代の話を1時間30分で仕上げているので、時代感や人物描写については「省略」しているが、「家」という柱、先代が築いた「家」を巡る家族らの思想が描写されている。 田宮二郎や小沢栄太郎の「家批判」にも関わらず、奉公するけいの一途な意思。 「戦争」という大きな影を背景に、少ない台詞や感情を敢えて取り除いたかの演出に無常感のようなものを強く感じる。 よって、涙を誘う叙情はここにはないのだが、逆に、何故か、涙が止まらなかった。 評判があまりよろしくないが、増村らしくないと言われればそうかも知れない。

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