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しとやかな獣 (1962)

監督
川島雄三
  • みたいムービー 26
  • みたログ 221

3.95 / 評価:96件

演出の勝利!!

  • yam***** さん
  • 2019年5月28日 9時34分
  • 閲覧数 722
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

団地の室内での密室劇
家族4人+入れ代わり立ち代わり現れる訪問者
登場人物はみな俗物
3人の悪女に振り回される男たち
3人はそれぞれのやり口で男たちを手玉に取る


前田友子(浜田ゆう子)
前田家長女。若さを武器に、人気作家の愛人に収まり金を吸い取る。
小悪女。

三谷幸枝(若尾文子)
夫に先立たれ、生き抜くために自分の武器を最大限に利用することを選んだ女。
美貌と男好きのする身体で言い寄る男たちを破滅へ導く。
中悪女。

前田よしの(山岡久乃)
前田家の妻であり母。夫を立てる良妻賢母の顔を持つ。
「尽くす」という搦手で長年夫と息子を操っているようにも見える。
大悪女。



オープニングとエンディングで効果的に使われる、虚無感、空疎感を掻き立てる能囃子
現実にはあり得ない極端に長い階段を使い、登場人物の徒労感、出口のなさ感を観る者に実感させる
和やかで賑やかな団らんを楽しむ家族が一転、能面のごとき無表情で内面を吐露し始める恐ろしさ

こんな地味な設定の映画を、全く退屈せず最後まで面白く観られるのは、キャラの設定と演出の勝利!



ぞっとするのは、ここまで極端ではないにしろ、どこの家庭でも同じように家族の内面の空疎化が進んでいるのかも知れない、と思い当たること…
最新の団地、キャビアに葉巻、洋酒、ビール、コーラ、応接セット、テレビ、ステレオ、ルノアールの偽物…
そういった当時あこがれの品と引き替えに我々が失ったもの、それはなんだったのか、振り返って考えてみたくなる

ヒトは生き抜くためには偽善を捨てて獣にならざるを得ないのかも…
そこまで、現代の人間は追い詰められている、そんなモノとカネ至上主義社会の残酷さ滑稽さを極端に引き延ばして描いたのがこの映画だと思う

雨の中税務署の男が団地から飛び降り自殺を図る
登場人物皆の破滅を予想させるエンディングがまた秀逸

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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