ここから本文です

しとやかな獣 (1962)

監督
川島雄三
  • みたいムービー 26
  • みたログ 221

3.95 / 評価:96件

若尾文子の代表作ではないはず?

  • @tkitamoto さん
  • 2020年5月4日 13時53分
  • 閲覧数 481
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

CS日本映画専門チャンネルで2019年に放送されたものの録画を鑑賞。
川島雄三作品の中でも有名な部類に入る作品である。

かつて、大井町に大井武蔵野館という日本映画の名作をかける名画座が存在した。
ワタシは足繁く通ったものだが、川島雄三と名前を聞くだけでその頃を思い出す。
だが、この「しとやかな獣」なのだが、おそらく観たことはあるはずが、記憶が曖昧だった。
今回、若尾文子出演作品を体系的に見直すため再度観てみた。

やはり、なぜか以前観た記憶が蘇らなかった。
観た当時の20代では、話がわからなかったのではないかと思う。
もし、この映画をこれから観るという方に忠告するとするならこの映画は決して難解なわけではない。
ただ、主にアパートメントの一室で行われる会話劇であるために言葉のひとつひとつをきちんと漏らさず、聞いておく必要がある。
こんな形容はないかもしれないが、「会話アクション喜劇」とでもいおうか?

若尾文子に注目すれば、最初のシーンではまったくセリフがないものの存在感がある。
以後、ストーリーが進み彼女を中心に話は動いていくわけであるが、基本的にはアパートメントの室内で展開するがゆえに外にいる若尾が出ずっぱりというわけではない。
その点、若尾目当てにこの作品を観るなら少々物足りない。
また、時折登場する長い階段のイメージシーンは、現在の感覚からすれば違和感を感じる。

若尾文子自身、インタビューにおいてこの作品は難しかったと吐露している。
「…私、ああゆう難解なものはちょっとね。やっぱり、びしっと分からないとやりにくいですよね。」(「女優 若尾文子」キネマ旬報社p141)

ワタシ自身、川島雄三作品はやはり、「幕末太陽傳」などの活劇の方が好きであり、この作品は好きかと言われれば、躊躇してしまう。
今回、川島雄三のフィルモグラフィーを確認すれば、ほぼ晩年の作品に近い。
それを鑑みれば、新しい形態(フォルム)の映画製作のチャレンジが同作だったのかと思わせる。
どこにカメラを置いたのかさえ不明な床に這うような体勢から仰ぎみるようなカメラアングルなど、大映だからということか増村保造をかなり意識したとしか思えない。

識者と言われる方々には「しとやかな獣」は若尾文子の代表作という人があるらしい。
ワタシはそれに同意できない。
では、代表作は何か?
それを書くにもまだ、未見のものも多いのだ。
巡り巡って、再度この映画の魅力を発見することになるかもしれない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 楽しい
  • 不思議
  • 不気味
  • 知的
  • かっこいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ