あの橋の畔で 第3部
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


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    5.0

    真相はおいといて・・・

    1963年。野村芳太郎監督。菊田一夫原作メロドラマの第三部。越年したせいで正月シーンがあり、桑野みゆきの美しい晴れ着姿が見られます。全体的に一部・二部に較べて彼女の衣装が美しくなっている。建築技師の男(園井啓介)はカンボジアに行くし、東京で裁判をしているはずの女(桑野みゆき)はゴロツキ記者につきまとわれて能登にいくはめに。どうも無理矢理な引き延ばしに見えますが、何があっても愛しているという「真相」を引き延ばすのがメロドラマなのだから、その文法に忠実なだけともいえます。真相を解明してしまう離婚裁判が進まないのもうなづけます。 二人はアンコールワットで出会い、最後に能登の海岸で出会う。その間には女の側からの覗き見(一方的に行為を寄せる女性と一緒にいるところを見てしまう)が挟まれていて、メロドラマ文法に忠実に、女は真相究明ではなく見たものそのままを勝手に信じて苦しんでいる。「ちゃんと話し合えよ」というツッコミは禁止です。真相だけは先延ばししようという二人の涙ぐましい努力を暖かく見守りましょう。 とはいえ、自らがとらわれているメロドラマ文法にいい加減彼ら自身も気付いていて、桑野みゆきなどは最後近くで「私たちの間には最初から何か無理があるのよ・・・」となげいています。もちろん無理はメロドラマ文法にあるのですが、ここで桑野は出演者には不可視のはずの文法に気付くという危険な状況にいるのです。メタ・メロドラマ。 ついでに、観光客が一人もいないアンコールワットというのは無気味です。刑事ドラマなどでは最後の観光地での告白シーン(有名な崖とか)に出演者しかいないのが普通ですが、それを壮大な規模でやってしまっているので、不可視のはずの文法の所在があきらかになっています。単に当時はまだ観光地化されていなかったということなのかもしれませんが。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
あの橋の畔で 第3部

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル