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無宿人別帳

bakeneko

5.0

ネタバレ折角いろいろ考えたのに~

松本清張の原作を小国英雄が脚色した松竹オールスター時代劇で、多くの曲者&策士の思惑が交錯する群像劇となっていますが、全ての伏線をことごとく飲み込む後半の力技に驚愕させられる作品でもあります。 日本の推理小説界の巨人である、清張は推理小説以外にも多くのジャンルの作品を書いていています。本作は江戸時代の佐渡ヶ島を舞台にして、無宿人、奉行、役人、商人の思惑&野心&陰謀が、金鉱堀りの危険と島抜けのサスペンスに絡んで展開する構成になっています。 そして、“多くの登場人物が仕掛ける伏線をどう回収していくのか?”と観客が推理していると...大方の予想を裏切る驚きの収束に瞠目させられる作品でもあります。 “そういえば、清張って超売れっ子作家だったので、連載小説の前→中盤までは緻密に構成するのだけれど、終盤でまとまりを考える暇がなくなったのか”ええっ!“ていう杜撰な展開も多かったなあ(名作と言われている「点と線」だって…)”と思い出させる作品ですが、オールスターのキャラクターを活かした贅沢な競演が見られるので不満足感はありません。 正統派推理を期待した方は怒るかもしれませんが、豪華な時代劇と思ってみれば楽しめる作品ですし、色々と推理して観ると“盛大なちゃぶ台返し”を体験できるトンデモ怪作ともいえます。 ねたばれ? それで加賀屋はどうなったの?

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