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この首一万石

kin********

4.0

黄金期の果実

もう七、八年前ですが、「超高速!参勤交代」がスマッシュヒットを飛ばして、今でも細々時代劇映画が続く流れが出来たと思います。武家社会を金銭を絡めて描く視点が新鮮でしたが、それがまったく新しかったとも言えないことが、この作品を見て分かりました。一万石程度の貧乏大名の悲哀をコメディダッチで綴っていきます。そしてラストに至ると、権三は徐々に追い詰められ、情念が爆発。武家社会が体面だけを重んじる、表層的な存在であると喝破されます。  映画黄金期の贅沢な映像に浸りつつ、当たり前の娯楽作かと思っていると、小林正樹の傑作「切腹」にも通底するような、重いテーマを突きつけられるという、見て損のない作品です。

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