疲れた時には○○○ミン!(劇場大爆笑)
- bakeneko さん
- 2011年8月3日 13時59分
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- 総合評価
伝説となっている三船敏郎の第一回監督作品で、フィリピンに眠る“山下財宝”(=2次大戦中の供出金貨)を発掘すべく現地の旧戦場に乗り込んだ男達の奮闘と葛藤を描いた力作であります。
本作の製作状況は邦画全盛期のベストなもので、つまり―
スタッフ(脚本、撮影、美術、音楽)は全盛期の黒澤組(改定編集には黒澤明も手を貸したとか)。
俳優は友情出演も含めて、仲代達矢、三橋達也、山崎努、堺左千夫などの芸達者で固めていて、もちろん三船自身も主演で出演。
現地フィリピンでの本格的なロケーションを行った。―のであります。
それにもかかわらず、パッとしない出来に終わった作品で、
“何故上手くいかなかったのか”という解析結果が、映画学校の教材として使えそうな作品でもあります。
敗因は脚本で、「マッケンナの黄金」路線を狙いながらも、“大戦の英霊への悔悟”に拘泥し過ぎてエンタテイメントとしての明快さとロマンを欠いてしまっています。そして人間同士の葛藤部分も「黄金」等の心理スリラーを目指した様ですが、人間の書き込みが不十分なのであります。そして最大の欠点が、“結末部分の不完全燃焼感”で、同時期の黒澤傑作「椿三十郎」を書いたスタッフと同じ筆に成るお話とは信じられない杜撰さであります。
ただ、(当時の邦画の平均水準では失敗作なのですが)現在の邦画の娯楽作と比べればだいたい同じレベルの出来になっていますし、豪華なゲスト出演や現地ロケ、そして劇場が息を飲んだ(土屋嘉男&浜美枝の)トンデモない役柄は一見の価値があります。
多くの映画人のエッセイや記事で語られてきた“伝説の作品”に興味がある方にお勧めの作品で、(映画マニアではない)一般の方でも上映時間の98分をいろいろと突っ込みながら気楽に見る事の出来る娯楽作であります。
ねたばれ?
何故オープニングタイトルのみカラーに?(「天国と地獄」のパロデイ?)。
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