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赤い水 (1963)

監督
山本薩夫
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3.50 / 評価:4件

こっちの水は赤いぞ♪あっちの水は白いぞ♪

  • Kurosawapapa さん
  • 2013年5月16日 7時16分
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

山本薩夫監督というと、反骨精神溢れる社会派の巨匠。

そんな監督の “喜劇” というと、自分の知るところでは、
「にっぽん泥棒物語(☆5)」、 「台風騒動記(☆4)」、 そして本作。


本作は杉浦明平による原作で、 “政治腐敗を描いた諷刺喜劇” 。

それ故、同原作者による「台風騒動記」(山本薩夫監督1956年)と類似しており、
また、「金環蝕」(山本薩夫監督1975年)の原点とも言える作品です。

田舎町の温泉開発を発端に、欲に目が眩んだ町長や有力者たちが、土地の買い占めに奔走。
しかし県の試験所が、山の水を温泉と認めないと発表し、町は大混乱。
事態は二転三転していく。


俳優陣は、
・鼻の下を伸ばす町長役に、織田政雄
・町長の腰巾着の議長役に、船越英二
・悪智恵が働くエロ坊主に、伊藤雄之助
・太々しい古狸議員に、若山富三郎

口は立つが、腹の中は真っ黒けの有力者たち。

ありもしない 赤い水(温泉) と 白い水(怪我が治る) によって、町中が右往左往。 
いっそのこと “ピンクの水” も、、、
と思わせるほどの、虚偽の上塗り。


一方、女性陣は、
・冷静な視点を持ったうどん屋の女将役に森光子
・煮詰まった人間関係に嫌気がさしている女中ふみ子役に滝瑛子

単純な亭主を手のひらで転がす女将の器量や、
空想シーンで描かれるふみ子の乙女心など、
彼女たちの存在が、 “老獪な世界” を中和、心を和ませる。


それにしても、
議員さんたちは、議会を開会した途端、昼食にしたり、
名目だけの視察旅行、酒と芸者に囲まれ、税金使ってやりたい放題。

一方で、絵に描いた餅(赤い水=温泉)で、ああだこうだと、
本作は、 “尻尾を噛んでグルグル回る蛇のような作品” 。


作品に “勢い” はあるものの、
残念ながら、喜劇としては、いまひとつ笑えず。

また、
・空手形の選挙公約
・利権がらみの政治腐敗
・若者の地方離れ  と、
本作公開から50年経った今も、社会があまり変わっていないのは、なお笑えず、、、

あの頃は酷かったと、この喜劇を心から笑える時代は、いつ来るだろう、、、

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 切ない
  • コミカル
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