あの橋の畔で 完結篇
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


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    5.0

    知らないほうが幸福ならば

    1963年。野村芳太郎監督。菊田一夫原作メロドラマついに完結。二人の仲を裂く最大の懸案だった離婚問題に片がつく直前、桑野みゆきはなぜか離婚届が見えなくなり、脳腫瘍と診断されるというお約束といえばお約束のご都合主義的な先延ばし(真相の否認)。園井啓介の転勤にともなって札幌、函館を経由しつつ、ラストは東京へ。 長くてあと2年という宣告は桑野には隠され、ふたりは結婚する。すごいのは、2年経っても変わらない桑野の様子から希望を抱いた園井にショックを与えてはいけないという周囲の配慮から、桑野だけでなく園井にまで病気の進行を隠すこと。普通は園井が知らせないように配慮して苦しむ、またはそれを察知した桑野が苦しむ状態(片方の知と片方の無知)から関係者すべてに知識が行き渡って終焉、となるはずですが、両方ともに知らせないのだから、二人は無知のままに放置されています。それが期限付きの幸福といわれている。だからハッピーエンドだろうが悲劇的結末だろうが「真相」が明らかになる普通のメロドラマとは異なり、最後まで真相は判明ないし、彼ら二人が自ら問題を解決しようとしている気がしない。桑野は亡霊となってまで出てくるのですが、病気の進行を知っていたのかどうか、なにもいわないままです。無知=期限付きこ幸福という限定的で釈然としない終わり。 全編を通してみると、幸福な学生時代が失われていく悲劇といえるのでしょうが、かれらが幸福な時期(学生時代、離婚裁判の判決直前の長野、結婚後)のなかでは群を抜いて第二部終わりのほうの長野での一日が美しい。朝から晩まで光に満ちている。そしてこの場面も最初から一時的だとわかっていたのだった。「幸福は期限付きでしか訪れない」ということか。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
あの橋の畔で 完結篇

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル