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宮本武蔵 一乗寺の決斗 (1964)

監督
内田吐夢
  • みたいムービー 7
  • みたログ 108

4.05 / 評価:37件

京文化の奥行き>73対1の決闘

  • YYT さん
  • 2010年1月17日 23時53分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

中村錦之助主演のシリーズ第四作で最高傑作と言われている「宮本武蔵 一乗寺の決斗」を見ました。この作品の白眉は、ラストの有名な一乗寺下り松における吉岡一門対宮本武蔵の73対1の決闘ではなく、廓のなかに設けられた雪をかぶった庵での吉野太夫と武蔵の対話です。一乗寺の決闘の描写が悪いのではなく(この戦闘は「七人の侍」に並ぶ日本刀による殺陣の最高峰のひとつ)、吉野太夫と武蔵の対話(いや正確には言葉の対決)が素晴らし過ぎるのです。

この「宮本武蔵 一乗寺の決斗」は(1) 吉岡一門対武蔵の争闘と(2) 本阿弥光悦(千田是也)や吉野太夫(岩崎加根子)ら京都の文化人との交流の二つの流れから成り立っていて、私は後者の文化人との交流のほうが好きです。この映画は吉岡一門対武蔵の一乗寺下り松を決戦場とする争闘を描いた血生臭い作品でありながら、雅(みやび)な本阿弥光悦や情の深い吉野太夫をはじめとする、背景に多彩な文化を抱えた登場人物が多くでてくる、粋でお洒落で情感もたっぷりある優雅な映画でもあるのです。
#二つの異なった要素の配合具合が非常に絶妙なのです。

この映画の本質は、吉岡一門対武蔵の争闘と交互に語られる日本文化なかんずく京文化の情感と奥行きをさらりとしかし深く描ききったことです。だから、廓言葉や商人言葉をのぞき本阿弥光悦や吉野太夫の喋る言葉が京都弁ではなく標準語なのが残念です。しかし、それにしてもこの作品で再現された、洛北鷹ヶ峯にあったと言われている本阿弥光悦の芸術村の雰囲気は、映画美術から人の動き・所作から・・・素晴らし過ぎる。(^_^)

この映画の前にはただただものすごく面白いだけというアメリカン・テースト満載の宇宙西部劇「スターウォーズ」シリーズの第一作(新たなる希望)はまったく及びません。(ただただ面白いのも大切なんだけど)

詳細評価

物語
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音楽

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  • 切ない
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