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乱れる

たーちゃん

5.0

ネタバレ戦争未亡人とその弟の恋

戦後のまだ影の残る昭和30年代。町の風景も段々舗装道路に自動車が数少なく行き交い、まだ小さな商店があるが近くのスーパーマーケットに客をとられて、それぞれの商店主がこれからの生活に不安を抱えている時代。 そんな商店の中のある酒屋での物語。 そこにお嫁に来たが、息子は戦死してしまい、戦争で焼けてしまった店を今の状態まで復帰させた嫁森田礼子役に高峰秀子さん。 その弟森田幸司役に加山雄三さん。姑森田しず役に三益愛子さん。 スーパーマーケットの宣伝車からは舟木一夫さんの「高校三年生」が流れ、時代背景を彩ります。 商店主仲間の自殺。 自分の店もスーパーマーケットにしようとする姉(草笛光子)と姉の夫(北村和夫)。その計画にはどうしても未亡人の礼子が邪魔に思えてくる。 しかし、弟の幸司は礼子を外しての計画には反対だった。これまで店を存続できたのは礼子のおかげだと。 でもまたその計画を知った礼子は自らは店を出て行こうとする。 それを知った幸司はそれを許さない。 自分は礼子に対して恋愛感情を持っていると告白する。 拒否する礼子。 礼子は田舎に帰ると言う。田舎に戻る列車に幸司は送るからと礼子の乗った車両に現れるのだった。 義姉と弟の微妙な関係を高峰さんが見事に演じています。それまでは弟を思う姉の部分と弟から恋愛感情を告白されてからの表情など、ちょっとした仕草や目線で見事に表現していました。 告白されたあとの高峰さんの加山さんを意識する表情は本当に上手いなと思いました。 加山さんも一直線に思う懸命さが伝わってきました。 でも何といっても撮影と照明の上手さです。影の陰影。セットとは思えない自然さ。俳優たちの技術の高さにスタッフの技術力の高さで、ナチュラルに見る事ができました。 あとは何といっても衝撃のラスト。 高峰さんの義姉としてでない「女」としてのあの表情は抜群に色っぽく切ない感じを表現していました。

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