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「女の小箱」より 夫が見た

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4.0

二者択一を迫る女

さきほど、川崎敬三が7月に亡くなっていたというYahoo!ニュースの記事を読んだ。 川崎敬三というと、増村保造監督作では『青空娘』の頭の切れるプチブル青年も爽やかで良いのだが、 本作の、美人の妻を放っておいて出世の事しか頭にない自己中で情けない夫が記憶に残っている。 若尾文子との夫婦の営みは暫く絶えているが、川崎が勤める会社を乗っ取ろうと企む田宮二郎が経営するバーの情報を得るために、バーの従業員江波杏子とは関係を持つ。 しかし、後半で若尾が、田宮と人生をやり直すので別れてくれと頼むと、それを拒否し(これも保身のため)、無理やり彼女を犯す。最低の男だ。 主演は田宮だが、この川崎演じる男の風上に置けない夫がいたお陰で、尚更、田宮二郎の男ぶりが上がったと言える。 もう一人の本作の陰の立役者は、やはり岸田今日子だろう。 田宮の夢を叶えるために自分の店と身体まで使って株の買い占めを手伝うが、彼の心が若尾に行ってしまったと分かってからの行動が恐ろしい… この後に『卍』で再び若尾と共演している。こちらでは恋敵ではなく美しい若尾に恋する有閑マダム、相変わらずの怪演だ(笑)

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