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ああ爆弾

Kurosawapapa

4.0

あっぱれ岡本喜八流☆ミュージカル♪

======= 「大名組」組長・大名大作(伊藤雄之助)が出所。 子分にしてくれと頼む太郎(砂塚秀夫)にまとわりつかれながらシマに戻ると様子は一変。 組が市会議員候補の矢東弥三郎に乗っ取られ、株式会社になっていた。 怒り心頭の大名は、爆弾作りの名人である太郎に万年筆型の爆弾を作らせ、矢東に持たせようとします。 ======= あらすじだけを見ると、クライムサスペンスのようですが、 本作は、ミュージカル風・エンターテインメント☆ 面白いのは、使われた楽曲。 狂言、能楽、勧進帳、浪曲、唱歌の替え歌など、あらゆる邦楽。 また音楽だけでなく、笛、太鼓、かけ声など、沢山の効果音を駆使。 寄席の出囃子を使った登場や、うちわ太鼓と動作の同調など、 ユニークなシーンが盛り沢山☆ リズミカルで、テンポのいい流れは、岡本映画の特徴ですが、 今作では、潤ったメロディーで情緒を醸し出すのではなく、 乾いた知的なリズムで、 “ニヒリズム” を生み出しています。 主人公を演じたのは、岡本作品では常連の伊藤雄之助。 だみ声で、コミカルかつ哀愁漂わせる俳優さんですが、本作でも真骨頂の演技を披露。 伊藤雄之助は、脳溢血で倒れ半身不随になっても、懸命のリハビリで再び俳優として復帰を遂げた、気骨ある俳優さんでもあります。 ・幼なじみの椎野武三、通称“しいたけ”とのやりとり ・バキュームカーの尻尾のくだり ・映画館のスクリーン裏での爆破実験  など、 コミカルシーンは、かなり笑える☆ 爆弾は、巡り巡って、、、 狂騒的、悲劇的展開になりそうなところ、 岡本監督が込めたささやかな “人間愛” にも安堵。 少々行き当たりばったりの展開が多いですが、楽しさに関しては抜群☆ 映画は、 “リズム” “テンポ” “間” であることを、心底感じさせる逸品。 そして、岡本監督の息遣いこそ音楽的であったことが、よく分かる作品です☆ ( OKAMOTO:No5/20 ) 今作の監督キーワード:「岡本流ミュージカル」

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