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三匹の侍

syu********

5.0

この時代の映画の熱さは素晴らしいです!

五社英雄監督35歳のデビュー作。画面一杯に元気溌剌!工夫して演出してる~~、シンプルで力強くて、なんかこう心の底から痛快でね、人間臭さが充満してて良い.飄々としてて、抜け目なくて、女が大好きでね~。(笑) 丹波哲郎(当時)の剛直さ、後の「いも侍」に発展する長門勇の愛敬の陰に隠れた凄味、そして槍を使った殺陣の動きのパワフルでダイナミックでありながら柔軟、腰の据わったその身のこなし、美しい~~!姿カタチは平幹二郎のニヒリズムのほうがいいに決まっているんですけど動きの流麗さはナント、長門勇のほうが断然、上!。 いずれのキャラクターも、テレビでじっくり熟成された役どころ。三人三様のエピソードがエネルギッシュに展開します。くどくど説明せずに一気にガーッと進むので目が離せません。長門と百姓の女房、丹波と代官の娘、平と女郎屋の女将・三原葉子これらの愛情劇も絡みます。汗臭くて、埃っぽくて、ギラギラして。泥濘、破れ障子、照りつける太陽、画面に登場する全ててのアイテムが、観客に迫り、登場人物たちを駆り立てます。無駄が全然ありません。これが五社英雄の美学でしょうか。そして本作品ではそれにきっちり役者が応えて、実に見事なのです。 侍は何のために戦うのか、仲間とは何か、命をかけて守るべきものは何なのか。桑野みゆきの台詞ではありませんが「なんだかわからない」何かが心を熱くしてくれる素晴しい映画です。 テレビシリーズは現実感のある立ち回りが評判になったと云う。当時は映画界がテレビを電気紙芝居と蔑んでいた時代で、技術も人材も貸さなかった。そこで刀で肉を斬る音や槍で突く音などの擬音を自前で工夫して導入した。これが当たった。この成功には映画界も無視できなかった。

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