レビュー一覧に戻る
暗殺

暗殺

104

bar********

4.0

清河八郎の正体とは

暗殺。清河八郎の半生を描いた司馬遼太郎の小説『奇妙なり八郎』が原作ですね。 幕末動乱期の複雑な政治抗争、といった顔を持ちながら、その中心にいた清河八郎の正体を探るのが主眼の映画だと思っています。 清河八郎は他者によって語られるキャラクターであり、彼が主人公にはなっておりません。そういった意味ではやや変わった作品なのかな、と思います。カメラワークなどを見ても、進歩的な撮り方をしており、今の邦画と比べてもクオリティは断然高いと思います。 ただやっぱり手法的なくどさはあったのかな、と思います。起承転結のそれぞれの部分に十分な効果が見られなかった(言説上にはあると思うのですが、映画表現としては充分ではなかった)、というのが私の感想です。 清河八郎がどんな男か、早い段階である程度キャラクターを確定させておいて、その上で矛盾する事実を数多く提示させた方が、映画としても物語としても面白くなったのではないかなと思います。今の情報の出し方だと、清河八郎のキャラクターがどこかぼんやりとしており、清河八郎を語っているキャラクターの熱がいまいちこっちに伝わって来ないので、じゃっかん置いてきぼりにされている感じがあります。 役者さんなども魅力があって、昔の邦画の力強さを感じる一方で、物語設計的にはやや難あり、また端役の演技力の低さもかいま見える、といった感じでなんとなくあまりいい印象はありませんでした。カメラワーク、演出などは高い技術があってとてもいい感触が得られましたので、★4になっています。

閲覧数406