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風と樹と空と

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3.0

溌剌とした小百合嬢

昭和30年代の街並みが懐かしいですね。お手伝いさんを主人公にした映画は、古くは「女中っこ」(主演・左幸子)、そのリメークの「どんぐりっ子」(同・森昌子)などありますが、本作の吉永小百合は最もお手伝いさん役に相応しくない美女かもしれません。  けれど、若さがそのギャップを補っている気もします。そもそも、コメディエンヌとしての小百合嬢が観られるという意味では、とても貴重な作品です。酔っぱらって他人に絡むとか、野球のシーンで派手な空振りをするとか。彼女の体当たりぶりが実に微笑ましい。  考えてみれば、大人になってからの彼女が作品に恵まれないのは、どれもこれも真面目で一本調子な女性ばかりで、意図的なのかキャスティング側が敢えてそうさせているのか、似たような役ばかり演じているからかもしれません。本作を観終わってふとそう思いました。  肝心の本作ですが、石坂洋次郎原作だけあって、台詞が生き生きとしていて良いですね。ラストが単なるハッピーエンドになっていないのも、吉永・浜田コンビの作品としては珍しい。ストーリー自体にそれほどの深みもなく、傑作というよりは佳作の部類かと思います。

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