われ一粒の麦なれど
108分
われ一粒の麦なれど
作品レビュー(2件)
- bakeneko
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - to1********
4.0点
ある間違い電話から小児マヒ(ポリオ)の根絶に執念を燃やす官僚の姿を描いた作品。テーマは非常に重い、重いです。というか現代ではピンと来ない人も多いかもしれません。しかし子供の頃たまに患者の方を見かけた私でさえ、この映画の時代の大流行の様、ましてそれが国内で起こった出来事ということに、衝撃を受けました。 事態収束のための最終手段、生ワクチンの認可には、人体実験が不可欠、そのためのデータ取りに最も影響の大きい東京地区を任されたのが高峰秀子さん演じる女医、しかし、身近の患者の存在から壮絶な葛藤に見舞われる・・・主人公との「倫理観」の激突。あぁ重い。(一言でいうと、「万のために一を捨てることの是非」) そのような重いテーマであるにもかかわらず、鑑賞した後に気持ちが沈まなかったのは、小林桂樹さん演じる主人公のキャラクター(不気味にさえ見えるほどの小児マヒへの傾倒ぶり、あっけにとられる行動力)への興味と、(不謹慎かもしれませんが)愛人とのドタバタや同僚との麻雀シーンにふっと救われたところが正直大きかったです。 終盤にポリオ患者の施設を訪れるシーンがあるのですが、そこでの主人公をめぐるやりとりが、答えではないにせよ、一つの主張として伝わってきました。 ちなみに、この年代の映画らしく(?)当然のごとくキ○ガ○という用語も飛び出してきますが、最後のシーンでの使われ方は、非常に心に響くセリフ回しでした。
スタッフ・キャスト
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