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愛と死をみつめて

ムービークリニック

3.0

ほし みっつ

元祖的といえるであろう、死に別れの恋愛映画。  この映画は今になって初めて鑑賞。  数十年前の子供の頃に、世間で流行っていた歌は印象ある。レコード大賞も受賞した「愛と死をみつめて」青山和子の歌である。  数々のドラマやスペシャル版、俳優を変えての再映画化。名作なのだろう。やはり「ある愛の歌」が印象強いが、この映画はそれより6年前の作品と聞いて驚きだった。やはり元祖であろう。  ミコとマコの文通の記録とミコの闘病中の日記による脚本であると思われる。  昭和の病院風景がよみがえる描写。「病院のにおい」を気にするミコ。昭和の病院というと実にアルコールのにおいが充満してるんだよね。病室や診察室に洗面器に入ったアルコール手洗い容器がたくさんあったよね。  病室であみものをするミコ。昔はベッドの棚には自宅のタンスかと突っ込みたくなるようないろんなものを置いてる人たくさんいた。装飾品的なもの作ってたよね。  あと昭和はどこでもタバコ吸うから、患者の前で堂々と吸っちゃうのが今見ると驚きを隠せません。時代です。  この映画のほとんどを構成するのはミコの闘病生活における心情。  病院内の他の患者との交流や非難。親とのかかわり。恋人との時間と文通。  恋人は自由のあこがれと、心の安定。  「病院の外に健康な日を三日ください」は泣けますね。  父が見舞いに来て、母が用意した新しい服を持ってきて、それを着替えて見せるミコが、カーテンのかげから顔を半分だして父に見せるシーンは実に泣けました。  最後に恋人と病室で、疑似的にあこがれの山登りをするシーンは見ていられませんでした。  持ち物を早々燃やして、その煙を見つめるシーンも印象的です。清掃員が「燃やせばなんでも煙、ひとも煙」が刺さります。  ただ映画としては実話なので盛り上がりはなく、記録映画風にも見えます。フィクションにしたくなかったのではないでしょうか。でも当時の反響はものすごかったのは原作本の部数からいっても偉大な映画です。

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