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愛と死をみつめて

たーちゃん

3.0

ネタバレみんな煙になってしまうんや。

「マコ甘えてばかりでごめんね。ミコはとっても幸せなの。」で始まる「愛と死を見つめて」の曲は超有名で、悲恋ものの代名詞とも言える名作です。 ですが改めて見てみるとかなりツッコミところ満載の作品でした。 まず主題歌はあの名曲ではないのですね。あの曲をイメージしていたので、タイトルでちょっとガッカリしました。 中身ですが、何故時系列通りに描かなかったのでしょうか。もう知り合っているところから始まって、回想シーンで出会いを描いてます。こういうのって最初の出会いって大切だと思うので、またそこもガッカリでした。 公園で「どちらかが別れたいと言ったら付き合うのを止める」と言った事を病室でもめるシーンがありますが、何故公園でそのシーンを撮影せすに病室に持ち込んだのか良くわかりません。公園でもロケーションで撮影しているので、そこで語らせても良いと思うのですが、わざわざ病室で語らせたのか良くわかりません。 まず脚本家の構成が変なところがすごく気になりました。 あと時代が昔なので仕方ないのが病室で担当医が術後の患者の前で堂々とタバコを吸うなんて今では考えられません。 家族でもない高野誠(浜田光夫)の前で小島道子(吉永小百合)の病状を話す担当医。考えられません。 個室とは言いながら病室に宿泊出来るベッドがあって、恋人とはいいながら家族以外の男性がそこに宿泊してしまえる事。考えられません。 極めつけは道子が顔が痛くて苦しがっているのを見た看護師が何も慌てる事なく、「あとで薬のんでおいてください」と言って薬を枕元に置いたあと、「食べないんですか」と枕元の食事を下げ、他の看護師が電話ですと伝えに来たあと、道子がフラフラとしているのに手助けをして電話口に出すといこの一連の流れのシーン。あり得ないです。 こんな描写を許してしまう監督はどういう感覚なのでしょう。 道子が大阪駅で東京に帰る父(笠智衆)と別れる場面。ニコニコして去っていく父の顔が泣き顔になる重要なカットに手をかぶせてしまって、表情を全く見れなくしていました。笠智衆の笑顔からくしゃくしゃに泣いてしまう表情がみたいのに、台無しです。 怖いシーンがあります。道子が病人仲間の洗濯をしようと地下の洗濯場に行った時に立ちふさがるおばさん(初井言栄)です。道子の評判の良さに嫉妬し、道子を襲います。逃げる道子に「バケモン」と叫びます。その当時だからこんな感じだったのでしょうが、現在だったらきっと特殊メイクで顔半分のない道子の顔を描くのではと思いました。 考えてみると凄い純愛物語にはなっていますが、顔半分がなくなった女性を愛し続ける事が出来るのかと言われれば、私には自信がありません。以前「累」という作品で主人公の顔が半分傷つけられている描写がありましたが、かなり壮絶な感じでした。 吉永さんの顔が半分なかったら、どうなんでしょう。 美談にはなっていますが、もし彼女が助かっていたら誠は彼女は愛し続けていたでしょうかと思ってしまいました。 道子が自分の私物を焼却場に持っていくシーンがあります。 その用務員の言葉が深いです。 「みんな煙になってしまうんや。人間かて死んだら煙や。他愛もないもんや」

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