レビュー一覧に戻る
幕末残酷物語

fna********

4.0

新撰組の真実

加藤泰監督作品が観たくなり、ビデオ屋でようやく探しあてたのが この「幕末残酷物語」である。 先日読んだ本、「加藤泰 映画を語る」の中に、加藤監督がいかに カメラの「ローポジション」が好きで、自分の映画作りを目指していたが 綴られていた。その中で、新撰組を題材にした映画は沢山あるが 実際の新撰組の真実にせまった映画が少ないことについての記述があった。 加藤泰曰く、「新撰組とは幕末に政府から雇われた政府公認の暴力組織で あった。」というのだ。 なるほど、加藤監督の「幕末残酷物語」を見る限り、新撰組の描き方は 他の新撰組映画とは異なっているような気がする。 映画でタブーに挑戦し続けた監督、大島渚の映画「御法度」の新撰組と 加藤泰の「幕末残酷物語」はどこか雰囲気が似ているような気がした。 もちろん、一方は新撰組の中の男色を問題にしているのに対し、 加藤泰の新撰組は内部抗争をはらんだ描き方をしているのが特徴だ。 特に印象に残ったのは、やはり加藤泰が映画でこだわって描いた部分である 「男」と「女」の情念である。 ラストはどうなるかは言わないが、是非、一度観て欲しい。 あのラストシーン、「男」と「女」の情念の世界を見事に映像で見せきった 加藤泰監督はすごい監督だ!と唸ってしまった。 次は、加藤泰作品の中でも有名な「瞼の母」を見るつもりだ。

閲覧数1,026