レビュー一覧に戻る
幕末残酷物語

bakeneko

5.0

ネタバレ素顔の大川橋蔵!

東映チャンバラスターの大川橋蔵がリアリズムアクションへの路線変更を試みた異色作で、時代劇風のメイクをしていない素顔で、骨肉相食む新選組に志願した青年の末路を熱演しています。 黒澤時代劇や劇画ブームなどで、それまでの明朗健康な東映チャンバラ映画が路線変更を強いられた時代に、旧来の娯楽時代劇の看板スターであった大川橋蔵がすっぴん顔を晒し、血しぶきが飛び散るスプラッターな殺戮劇の地獄絵を描いて見せた作品で、ヒロインはデビューしたばかりの清純派時代の藤純子(18歳♡)が可愛い靨を見せています。 池田屋事件で幕府に認められて上り調子だった新選組に、若い志願者:江波三郎(大川橋蔵) が入隊してくる。剣の腕前も度胸も未熟だった三郎だが、凄惨な現場を体験するうちに次第に組織に順応してゆく。一方で新選組の上層部の横暴と内部での粛清は度を増してゆき、組織の穏健派も暗殺されて…という新選組残酷物語で、試し切りと称した殺人で度胸をつけさせ、上層部の専横によって隊自体が崩壊してゆくなど…当時の人々には旧日本軍の新兵教育や内務班によるリンチを直ぐに彷彿とさせる寓話劇ともなっています。 一方で、新兵への説明の形で新選組の組織と御法度も分かり易く説明される作品で、特に新選組の詰め所の由来やそこに勤める奉公人の素性などは他の作品では語られない詳細なものであります。 明朗スターのイメージを崩壊させた為か、本人の熱演の割にはあまりヒットしなかった作品ですが、現代劇でヤクザを演じた「バラケツ勝負」と並んで素顔の大川橋蔵を観ることが出来ますよ! ねたばれ? 1、この後大川橋蔵はTVに活躍の場を移し、1966年からの「銭形平次」で盤石の人気を得ます。 2、汐路章が“お相手”って設定もヒットしなかった一因だったりして…(腐女子大喜び?)

閲覧数845