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飢餓海峡 (1965)

監督
内田吐夢
  • みたいムービー 83
  • みたログ 508

4.15 / 評価:225件

人間存在に迫る

  • gtk***** さん
  • 2019年4月12日 4時14分
  • 閲覧数 492
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

三時間と長い映画だけど、構成が素晴らしいので全然長さを感じなかったな。

逃亡編・杉戸八重編・真相追求編、こんな感じかな。

この流れで犬飼多吉の善悪がどんどんぼやけていくんだけど、ぼやけた善悪・真相に犬飼多吉の爪という針が引っ掛かるところが秀逸だったな。
原作ではないらしいんだけど、三日月型の爪が釣り針のように見えてなんとも皮肉だった。売春婦に掛けた情によって自らを滅ぼすわけ。
杉戸八重にとっては仏様の爪と同義なので、『運命』の不思議さを感じざる負えなかったです。

もうこの辺の説明で満点付いてたけど、真相追求編が輪を掛けて素晴らしくて、
一旦善人犬飼が誕生する件は本当に凄かった。
善悪の境界を超えると人間の本性や人間存在に迫れる訳ですが、一旦善側に戻ることで、捜査・刑法の矛盾や限界まで露呈させてしまうんだよね。

個人の善悪を超えて法の限界・人が人を捌くことの矛盾まで露にすると、残るのは剥き出しの存在ですよ。
人間という存在の不思議さを個人を超えて、社会や法をも越えて考えさせる稀有な作品だったかと思います。

終戦直後の日本。
主人公のような人間、八重のような娼婦、生きる為に必死な業の深い人達がたくさんいたんだろうな。そういう意味で飢餓海峡ってタイトルも良いイメージ。

どうみてもレ・ミゼラブルが下敷きに見えるけど、ミステリーやサスペンスの要素を含めると、こっちの方が上な気がしないでもない。
番宣に日本映画史上の金字塔的傑作と書いてあったけど、まさしくその言に偽り無しの傑作。

感服致しました。
こういう西洋を超えようとする気概が今の人に欲しいな。
昔の人は凄かった。

満点を進呈。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不思議
  • 知的
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