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美しさと哀しみと

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3.0

美意識と倒錯感と

古き良き日本の美しさを追求した川端康成が、ロリコン趣味だったのは有名な話。そうした川端の「美意識」「倒錯感」が凝縮された作品。 かつて31歳の妻子を持つ男性が愛してしまったのは、16歳の女子高校生。山村聡演じる男は小説家として名を成し、今は鎌倉に住んでいる。未熟な愛に傷ついた少女、八千草薫は精神を病み、京都で画家として暮らしている。再開を求めて大晦日の京都を訪れた山村の前に現れたのは、八千草の弟子、加賀まりこだった……。 まったく異なるタイプの八千草と加賀の演技がすばらしい。年齢を感じさせない八千草のあどけなさ。その裏には精神を病んだゆえの心の闇が横たわっているのだろうか。真逆の加賀は、コケティッシュ全開で山村を破滅に導いていく。二人が師弟関係だけでなくレズビアン関係であるのも川端らしい。

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