兵隊やくざ
4.2

/ 63

44%
38%
13%
3%
2%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(23件)


  • あき

    4.0

    面白い!

    インテリとヤクザのコンビが軍隊で大暴れ。シンプルに面白い。日本軍の鉄拳制裁、中国侵略、慰安婦のあり方等々、今から見ればひどいもんですが浪花節でもってブチ壊していく勝新が痛快。

  • アニカ・ナットクラッカー

    5.0

    勝新太郎の痛快人気シリーズ1作目

    今回取り上げるのは、1965年の大映映画『兵隊やくざ』。「座頭市」「悪名」と並ぶ勝新太郎主演の人気シリーズ1作目で、1972年の「新兵隊やくざ・火線」まで9作が作られた。3本ものシリーズを持つところに勝の人気ぶりが伺える。時代設定は戦時中の昭和18年で、ミッドウェイにガダルカナルと続いて日本の劣勢が明らかになりつつある時代である。 「兵隊」に「やくざ」と怖い単語が並んだ題名で、さぞかし暴力的で殺伐とした映画なのかと予想する。じっさい観ると暴力の場面は確かにふんだんにあるが、根底に理不尽な戦争や非人間的な軍隊を憎む気持ち、虐げられた人々に向ける同情心、軍隊の中で育まれる男たちの友情、そして自由を渇望する気持ちが流れ、静かに胸を打つ作品になっているのだ。 勝が演じる大宮喜三郎の戦友として強い絆を結ぶのが、田村高廣演じる有田上等兵だ。2006年に田村が亡くなったとき、新聞の投書欄に田村への追悼文が載っていた。『兵隊やくざ』を映画館で観た人の投書で、映画が終わった後で男性客が「こんな面白い映画を観たことがない」と叫んだという内容であった。冒頭のモノローグで、この投書を思い出した。 「兵隊の話はもうごめんだって?私も同感だ。20年経ったいまでも、カーキ色を見るたびに胸クソが悪くなる」。この語り出しは戦争体験が風化しはじめた1965年の日本人の心情を表している。有田が語るモノローグへの観客からの回答が「こんな面白い映画・・・」ではなかったか。ラストでは大宮がカーキ色の軍服を燃やしてしまい、観客の留飲を下げるという仕掛けだ。 舞台となるのは満州のソ連国境に近い孫呉という町で、4万人の軍隊と軍相手の酒場や女郎屋で構成されている。劇中で遊女の音丸(淡路恵子)が、「ここより北には日本人の女の子は3人しかいない」と語り、「満州に桜の咲かない春が来た」というナレーションからも、その最果て感が想像できる。戦争映画であるが、敵との戦闘や中国人が出てくる場面はまったくない。 大宮は浪花節の歌い手を志していたが喧嘩っ早い性格のため挫折し、四谷の露天からジョバ代を徴収する仕事に就き、殺人を犯したこともあるヤクザである。日本にいたら、大学出のインテリである有田と知り合うことなく一生を終えていたはずだ。そんな二人が軍隊という非人間的な組織の中で出会い、異郷の地でかけがえのない友情を育んでいく過程は感動的だ。 大宮は喧嘩においては無敵の強さを誇り、殴られても平気でかえって相手の拳が痛んでしまうほど面の皮が厚い。先輩の有田は決して大宮に手を上げることはなく(一度だけ、やむなく大宮を竹刀で打つ場面がある)、大宮もその優しさに感謝して親密さを示す。喧嘩自慢の大宮と優れた知力を持つ有田がコンビを組み、したたかに生き抜いていく過程が観どころである。 大宮には長い距離を歩くのが苦手という弱点があり、武装して長距離を行軍する演習ではバテて落伍しそうになる。満州の荒野に一人で取り残されたら、凍死するか狼に食われるしかない。共に歩く有田は大宮の銃を代わりに担ぎ、「演習が終わったら上等の菊正宗を飲ませてやる、いい女を抱かせてやるぞ」と励まし続け、ここまで来ると友情というより愛情である。 音丸の語るエピソードが壮絶だ。肺病で亡くなる当日まで客を取っていた遊女の遺体をどかしてみると、布団に女の脂が染みて畳まで腐っていたという。彼女の話は、冒頭でタイトルと共に映される、銃を傍らに置いたまま白骨化した兵士の姿と重なるものといえよう。日本の戦った戦争の実態がどんなものであったか、これだけで観客に理解させる映像である。 戦況はさらに悪化し、孫呉の軍隊には南方戦線への転進が命じられる。南方に行ったら生きては帰れない。「自分の乗った輸送船が撃沈されたら一巻の終わりだ」と、兵士たちも諦めムードだ。だからと言って孫呉に残ってもソ連軍との戦いが待っている。昭和18年当時日本とソ連は「日ソ中立条約」を結んでいたが、近いうちにそんな条約は破られると見られていたのだ。 そんな状況にひそかに反旗を翻すのが大宮である。「一緒に脱走しよう。あんたが嫌がっても無理にでも連れて行く」と有田に打ち明け、練りに練った脱走計画を実行に移す。喧嘩の強さだけでない、大宮の明晰な頭脳が発揮される場面である。ここで協力するのが音丸で、将校の拳銃を2丁盗むという働きをする。この地から逃げられない遊女が最後に送る、二人への餞別であった。 クライマックスは、列車強盗ものの西部劇を思わせる展開となる。切り離された機関車の上に仁王立ちする大宮がカッコいい。「シャバで生きる力はお前の方が強い。こんどはお前が俺の上官だ。何でも命令してくれ」と言う有田。明らかに「私はあなたの嫁になります」宣言であろう。痛快なラストシーンだが、同時に南方で散った兵士のことも忘れてはなるまいと思うのだ。

  • bel********

    5.0

    勝新といえば・・悪名・座頭市・兵隊やくざ

    勝新の当たり役。面白いからシリーズになる。 1作目は特別な空気感が漂っています。 強い勝新が大好きで、破天荒な勝新が大好きで、 心根の綺麗な勝新が大好きなのです。 ラストの逃亡シーンは大好きですね。 (結果は失敗に終わるのですが)

  • ine********

    4.0

    題名通りの内容だけどそうじゃ無いんだ

    凄く面白かった 題名だけだと元やくざの兵士が 基地内でゴロまいて騒動起こしてのコメディかと思った 確かにそうなんだけどそうじゃないんだ ブロマンスものであり 戦争の虚しさ戦いの愚かさ そして生の素晴らしさを嫌味なく伝えてくれる快作だったのだ ほんと昔の映画は題名がド直球過ぎて笑ってしまうね それっぽい英文のサブタイトルをつけて 安いヒューマニズムをCGで表現する様な 現代の監督では撮れない映画ですね モノクロで男だけの世界かと思ったら 若き頃の淡路恵子さんがオヘソだしたり 健康的なエロも程よいアクセントでした

  • be_********

    4.0

    個人的には勝新太郎のベスト

    面白すぎる。 勝新太郎のはまり役だと思う。そして、相手役の田村高廣も。 製作が戦後間もないせいか、軍隊の雰囲気がリアル。 兵隊やくざシリーズは、日本映画のひとつの到達点です。

  • kus********

    4.0

    延々と殴ったり殴られたり…

    見せ場はアクションか?格闘シーンか? 主人公が頑丈で破天荒で喧嘩が強い、というように表現している映画なのでそんな風になってしまうのはしょうがないというか当然なのでしょうが不器用な喧嘩シーンが長々と続きますね(笑)いやそれがわるいと言ってるんではないですよ。 面倒を見てくれる上官との友情、主人公の自由な生き方などがこの作品のきもかな。 たしかに引き込まれました。面白いからです。いいね!

  • pop********

    4.0

    2016年に見た凄い映画その40

    中盤までは特筆するほどの物語ではないのだが、ラストが痛快で小躍りしたくなる。音丸に救いがないのはやるせないが、あれがないとリアリティに欠けていたであろう。戦勝国の、とりわけアメリカのような国では、なかなか作れないタイプの映画だ。 その40 兵隊やくざ その39 雨あがる その38 レイジング・ブル その37 木を植えた男 その36 それでも夜は明ける その35 かぞくのくに その34 あの日の声を探して その33 ヒーローショー その32 乱 その31 サニーサイド その30 姿三四郎(黒澤明) その29 奇跡のひと マリーとマルグリット その28 静かなる決闘 その27 イリュージョン? その26 マッドマックス 怒りのデスロード その25 野性の少年 その24 もののけ姫 その23 ミリオンダラーベイビー その22 生きる(黒澤明) その21 娘・妻・母 その20 女が階段を上る時 その19 小早川家の秋 その18 東京暮色 その17 ファーゴ その16 ポセイドン・アドベンチャー(ロナルド・ニーム) その15 マンディンゴ その14 デッドマン・ウォーキング その13 シャイン その12 運動靴と赤い金魚 その11 スクール・オブ・ロック その10 西鶴一代女 その9 禁じられた遊び その8 こわれゆく女 その7 プレイス・イン・ザ・ハート その6 ユナイテッド93 その5 猿の惑星:新世紀(ライジング) その4 日本の悲劇(木下惠介) その3 アラバマ物語 その2 天空の城ラピュタ その1 お早よう

  • hai********

    5.0

    男同士の「恋」 増村版ゲイムービー! 

     増村映画が好んで描くジャンル、いわば得意技として「男女の性愛」がある。 徹底して濃く描く。  「セックスチェック第二の性」のひろ子とコーチは スポーツの場を借りたSMの世界だし 「赤い天使」の軍医と従軍看護婦西さくらは 野戦病院の場を借りた嗜虐の物語。 「盲獣」では、ついにお互いを切り刻む快楽に耽る画家と その画家が拉致したモデル島アキを描出している。 「刺青」「卍まんじ」「痴人の愛」などの谷崎文学を映画化したのも いかにもこの監督の映画的傾向として頷ける。 この三作の「愛」は、その耽美性、異常性、ぶっとび性において 谷崎の描写をはるかに凌駕している。  さて「戦争ヤクザ」 本作、20年ほど前に初見したときは 増村さんを今ほど知らなかったので 戦場という暴力の中で、自由と自立を求める精神を描いた 「反戦映画」だと思っていた。 再見してみて、のげぞった。  本作は戦場に場を借りた、増村監督、十八番中の十八番の「愛」 しかも男同士の愛を描いた作品だったのだ。  舞台は太平洋戦争中の関東軍歩兵部隊。満州に展開した部隊だ。 新兵として、転属してくる大宮二等兵を演ずるのは、勝新太郎。 この人物、内地ではヤクザ者。どの部隊でも上官に逆らい問題を起こす。 手を焼いた上層部は、鉄拳制裁が日常の、もっとも軍律の厳しい関東軍へ 彼を転属させたのだった。  関東軍転属先で、大宮の「再教育」を命ぜられたのは、有田上等兵。 演ずるは田村高廣。関東軍歩兵部隊の古参の現場たたき上げだが 彼は冷めたインテリで、この戦争が狂っていることを 冷静な目で眺めているという設定。  本作はこの勝新太郎二等兵と田村高廣上等兵の男同士のピュアな恋の物語。  戦地での新兵訓練とその暴力的な制裁を 増村監督はこれでもか、これでもかとあくどく描く。 しかし、これは間違いなく増村版ゲイムービーだ。  勝新太郎の大宮が最初に大暴れするシーンは風呂場である。 20人ほどの古参兵を相手の乱闘。 全員、素っ裸で立ち回る。 なんか、エロチックだ。増村さん、あえてのエロチック。 ヨメ、このシーンに大騒ぎである(爆)  この乱闘騒ぎの収拾をつけるのが有村上等兵だが 彼がカツシン大宮を庇ったことを契機に、大宮に、愛が芽生える(爆)  ここからの勝新太郎の演技が凄い。 暴れん坊のタフガイなのに、妙に可愛いのだ大宮。 いや、まいったな、増村さんには…。 これは「セックスチェック第二の性」で描いた ひろ子と緒形コーチの「男同士」版ではないか。  人差し指を吸いながら眠るカツシン。 死の行軍訓練で、有田上等兵に支えられながらよろめき走るカツシン。 有田上等兵を膝枕するカツシン。 しかも、膝枕させながら有田上等兵のヒゲを剃ってあげてるし…  こんなシーンが用意されている。 カツシン大宮が隊を抜け出したことに対して、有田上等兵が制裁を命じられる。 有田の竹刀が振り下ろされるのを、カツシン大宮は なんともいえぬ、恍惚とした表情で待っているのだが 有田は竹刀で大宮を一回殴りつけだだけで それ以上することはできず、立ち去ってしまう。  それでは有田が上官の命令に背いたことになってしまう。  カツシン大宮は、石で自分の顔を殴り 有田に制裁を受けたとして、上官に報告する。 有田がカツシン大宮を心配して見に来る。 このシーンで、カツシン大宮は洗濯物を甲斐甲斐しく干している(増村演出の妙!) カツシン大宮の後ろに立つ大宮。 「何でそんなことをしたんだ」 「上等兵殿に制裁を受けたからでしょう」  振り向かず、こう言い返すときの、カツシンのちょっとすねたようなあの顔! ぶははははははは 凄いなこのシーン。 カツシン、なんとも切なく可愛らしいではないか。 狂気の戦場。 この二人の愛の行方。 冒頭からラストまで、増村監督、お見事!という他、最早処置なし。

  • mar********

    5.0

    上等兵どのぉ~!!

    最近、親類・友人・知人の間でブームです。この映画。 兎に角、観なければ解りません。 子供の頃に観た印象そのままに、四十を過ぎた今観ても【楽しい映画】です。 カッコイイ男ってこんな感じですよ。 また女郎がイイ! 悲惨な境遇に置かれて尚、惚れた男を助ける健気さ…平成の女姓諸君!!見習いたまえ!!!

  • yam********

    4.0

    昔ながらの

    素晴らしい映画で面白かったのですが レンタル店の店員さんに「兵隊ヤクザありますか?」と聞いたら「変態ヤクザですか?」と聞き返されてげんなりしました。 勝さんの演技力は凄まじいです。

  • iwa********

    5.0

    殴る!殴る!殴る!

     巻頭ドーン!と野垂れ死にしたような白骨化した兵隊。ここにタイトルが被さる。いいゾ、いいゾ。その後は殴る! 殴る! 殴る! トコトン殴る。これが増村流リアリズムだ!と言わんばかりに(風呂場の乱闘は凄まじい)。  将来に絶望して自殺する兵隊、未来に希望のない哀しい慰安婦、画面を覆い尽くす暴力と絶望。そんな中で大宮貫三郎の存在だけが妙にポディシブに映ってしまう。  軍隊組織の理不尽さ、戦争の悲惨さ、そんな評論家的な批評を圧倒する凄まじい迫力、これがパワーアップして翌年の「赤い天使」に繋がる(原作者も同じ)。  最近TSUTAYAで増村監督の作品を集中的に観ているのですが、この監督、ホントに凄い、敢えて偉大という言葉を進呈します。

  • ibu********

    5.0

    痛快な古き良き昭和の男たち!

    私が小学生だった昭和40年代半ばまでって、日本中が貧乏で、ほとんどの人がめったに遊びに行くこともなく、ひたすら働いてました。 子供たちも、そんなことを少しも不自由だと思わずに、ひたすら野原を駆けずり回ってました。 今は、家の冷蔵庫にジュースが入ってるのなんか当たり前ですが、あのころは、たまに飲めても渡辺の粉末ジュース。ファンタやサイダーなんて、年に数回しか飲めませんでした。 当時は、別に苦しいとも嫌だとも思いませんでしたが、今考えると、すごーく生活レベルが低かったなーと思います。 けれど、同時にみんなが一本気で、おおらかでした。 この映画を見てると、そんな時代のことを思い出します。 時代的には、もっと古い第二次世界大戦中の話ですが、登場人物の振る舞いや出てくる景色を見ていると共通するものがあって、子供のころを思い出してしまいます。 そう、勝新太郎演じる主人公の大宮のような、暴れ者だけど曲がったことが嫌いで純粋な人間、そういう人が確かにいました。 最近、そういう人、あんまり見かけませんね。残念です。 それと、先輩の有田上等兵役の田村高廣。こういう、したたかで押さえるところは押さえるんだけど根はいたって真面目。 そういう人も、確かにいました。 そこらへんが、実に懐かしく感じる映画です。 でもでも、この映画の一番の見どころは、なんといっても大宮の暴れっぷりです! 特に、理不尽なことをされると、先輩だろうが上官だろうが構わず殴りかかる。 相手が何人だろうと気にしない。 そのくせ、純朴で、同僚が自殺すると落ち込んだりする。 そして、意気に感じるタイプで、義理堅い。 近くにこんな人間いたら怖すぎですが、人間的には惹かれますね~。 友達になったら、すんごい苦労しそうですが(笑) そして、その大宮を抑える有田上等兵とのでこぼこコンピぶり。 大宮が窮地に陥ると相手の弱みを突いて理路整然と反撃するが、決して暴力には訴えない。 その「静と動」のコンビぶりが、この映画の内容を見事に際立たせてています。 色々と昔のことなんか書いちゃいましたが、この映画は、この二人の痛快さで成立している映画です。 今で言う「パワハラ」が軍隊の常ですが、そういった必要以上のいじめやいたぶりに対しては断固やりかえす! もう、勧善懲悪的にすっきりする映画です。 そして最後は、みんなを出し抜いて二人で・・・・ 見終わったあとに、この映画に対する気持ちを表現するなら、「ざまあみろ!」って言葉が一番近いですね(笑)

  • ********

    5.0

    軍隊内での濃い友情

    1965年。増村保造監督。兵隊になったやくざ(勝新太郎)とその上官(田村高廣)の活躍を描くシリーズ第一作。軍隊社会のなかでの男同士の濃い友情の話。これはほとんど恋愛です。 1943年という敗戦濃厚になった満州でこれほど自由にできたとはちょっと考えられないけれど(大西巨人「神聖喜劇」とは時期が違う)、上等兵と階級は低いもののインテリで古参のため顔がきく上官と、新参者だが腕っぷしが強いやくざのでこぼこコンビが助け合いながらどんどん親密になっていく。娼婦(淡路恵子)さえ共有しているらしい。 鉄拳制裁が当然の軍隊で、田村が心ならずも勝を折檻するときにやりきれずに辞めてしまうと、制裁が物足りないとばかりに自らを傷つける勝。田村の体面を保つためという理屈ですが、勝の表情はあきらかに「もっとぶって!」です。こんなに女性的に受け身の勝は初めて見ました。 最後が列車での脱走ですからこれでシリーズ化するとどうなるのか、にわかに次が楽しみになってきました。

  • hsq********

    4.0

    異常な世界で義理と人情をはぐくむ男達

    久々の増村監督作品! はい、まだ性懲りなく少しずつ見続けております(笑) 主演は勝新太郎。共演は田村高廣。 軍隊がきらいな有田上等兵(田村さん)と とんでもない不良兵の大宮(勝新)との熱い友情(?)物語。 他の増村作品と同じように、この作品もまた熱さほとばしる出来です。 精神性を重んじる軍隊と それに違和感を感じながらものらりくらりと兵隊生活を送る有田、 そして曲がったことは大嫌いで何にでもたてつく不良大宮。 方法は違えど、2人には共感するところがあったんでしょうね。 お互いを認め合ったあとは女も共有しようとするほど(!)の 絆の深さをこれでもかと見せ付けられるところは もはや快感となってきます^^;; そうそう、これが増村作品なのよーってね。 しかも軍隊のみみっちいことったらありゃしない。 「敬礼しなかった」と言っては殴り、 「ビンタじゃ効かない」場合は棒で殴り、 「貴様は兵隊で何年食ってる?」と聞かれて3年なのに「2年だ」と言って見栄を張り (それに対して「俺は4年だ」と張り合う田村さんも小さいんですが) ことごとく狂った世界として描写されています。 そんな狂った制裁に対しての報復は 「内臓はぐちゃぐちゃにしてもいいが血は出すな」って・・。 でもこの報復を機に2人の絆は急速に強くなっていきます。 それにしても上等兵の大宮への世話は度を超していまして、 マメがつぶれた足から靴下を脱がせてあげたり 「歩ききったら女を抱かせてやるぞ!」と励ましたり 増村節は100%健在でございました。 最初は不良度満点だった勝新が だんだん田村さんに素直になっていく様が味があってかわいいです。 余談ですが、 この映画を見たあとにレビューを読ませていただいたら お気レビさんが「男と男の愛の物語」だと書いてあって すっごく納得しました! 異常なまでの絆の強さ、2人そろっての脱走劇は、 もう相思相愛の関係、愛の逃避行にしか見えない(笑)

  • ky1********

    5.0

    勝新太郎はホントに凄い

    「悪名」の八尾の朝吉の軍隊時代を描いたかのような作品。 監督が増村保造なので描写が容赦ないリアリズム。 暴力シーンも気持ち悪くなるほどリアルで迫力あり。 高倉健でも裕次郎でもない誰も見たことない破天荒な勝新太郎。 作品自体も完成度が高く傑作!

  • sec********

    4.0

    勝新は海老蔵にそっくり

    いままでにみたことのない痛快な邦画。 勝新は楽しいキャラで、 二人の友情もあり、心が和み、癒される内容です。 是非お勧めします。

  • ser********

    4.0

    ドライにみつめる《戦争》という行為

     とかく《戦争》に関する論争が映画を通じてレビューでも花盛りだ。思えば日本が戦争に負けて60数年、戦争の事を多々知らず語る《戦後》世代が大きな顔をして表を歩き、戦争反対を叫ぶ昨今をはたして《戦中》派の人達はどう思い感じているのだろう?  彼らの多くはサイレント・マジョリティだ。戦争を語る事をまるで贖罪の様に感じたその世代の人達は、戦後【国】を語る事を拒否し、戦争について語る事を拒んだ。その結果、《左翼》に牛耳られた言論界は戦争の意義を捻じ曲げ、共産勢力の都合のいい戦争=悪のレッテルの中、日本の【真実】を語らせまいとやっきになってきた。それが正義だと信じて。  だが、21世紀に入りその呪縛から解き放たれた人々は一斉にそんな戦争=悪の定義に対して猛然と異議を唱え始めた。それを《左翼》勢力は右傾化、と呼ぶがその真実は《正常化》したというだけ。  面白いのはそんな現実を前に、映画界が互いの映画を罵りあう、という乱痴気騒ぎだ。井筒監督の新作を見る前にクソ、と決め付ける連中と石原都知事が脚本を書いた、というだけで戦争賛美と叫ぶ勢力、はたまたその映画を擁護する勢力。まったくもって滑稽の一言。  そもそも戦争に善も悪もない。  日本が戦争したにも事情があるはずだし、朝鮮が併合に合意したのも事情があったはず。中国が内乱したのも事情があるし、南京大虐殺をデッチ上げたのも事情がある。それに文句を言えないのも日本の事情って所(笑)。所詮正義だ悪だなんて論点で戦争を語る輩にロクな頭は存在しない。きれいごとを言う輩を信用するな、これこそ真実でしょう(笑)。  で、そのサイレント・マジョリティだった《戦中派》が戦争をどう見ていたかはかつての日本の戦争映画をよく見ればよく分かる。そこには左翼かぶれの映画作家が作ったものも含まれているが、一番冷静に見ていたのが増村保造だったと思う。後にシリーズとなり、勝新の代表作となったこの「兵隊やくざ」第一作は、インテリ上等兵とやくざ上がりの一等兵がコンビを組んで、《軍隊》という内部から戦争という現実を見つめている。  そもそも主人公の大宮は軍隊、という組織に徹底的に反抗する。そのために上から睨まれるが、じゃあその軍隊を非人間的に描いているかといえばそうではない。非人間的に見えるのはあくまでも、その組織を利用して旨い汁を吸う《悪党》がいるからだ。その《悪党》が権威を笠にするから反抗するのであって、軍隊の居心地は彼にとっては幸せの一言だっただろう。なんせ世間では《食えない》のだから。やくざ渡世、ときれいごとを言えるのはまだデモクラシーの恩恵に預かれた都会の人々であり、地方の多くは自由どころか、明日の食扶持さえ事欠く生活だった。でも軍隊にいれば食える。自由、なんて概念は当時のインテリ以外に持ち合わせていない。それが《現実》だった。  そのリアリズムがちゃんと背景に息づいているからこの映画は圧倒的な面白さを発する。そんな主人公の相棒となる有田上等兵はインテリだが、その偽善ぶった世界がどうも性に合わず、《自由な》精神を持った大宮と行動をともにする。彼らの共通点はただ《早く戦争を終わらせて日本へ帰ろうや》。それこそ増村が狙っていた真の《ネオ・リアレズモ》であり、《戦中派》の気持ちだったのだ。  このシリーズは増村の手から離れて、戦争を舞台にした痛快娯楽アクションへと変貌していくが、どの作品にも共通しているのは《戦争》を善悪で片付けていない事。悲しいシーンも残酷なエピソードもある。だからといってイコール=悪とは描かない。そんな理屈は所詮イデオロギーの産物であって、戦争にあるのはただ勝つ、か負けるかだけ。これって「兵隊やくざ」だけではなく、岡本喜八の「独立愚連隊」も実は戦争の善悪なんか描いちゃいないのだ。だったらこんな痛快な小気味いい戦争アクションなんか撮れないって(笑)。  そんな《戦中派》が次々と世を去り、今や戦争の真実を知らないのに知ったかぶりをする《戦後派》のリベラル、と名乗る論客VS保守の論客が、それぞれの勢力を使って日本の戦争が正しかったか正しくなかったかを論じる時代。映画もまたそんな輩に利用される。結局、彼らのプロパガンダに観客が利用されて、やれ戦争は悪だ、日本の誇りを守れと騒ぎに便乗させられている。これが《自由》の産物です(笑)  誰も戦争なんか好き好んでしたくない。これ当たり前。  でもしなくちゃいけない時は絶対勝たなくちゃいけない。これ真実。  じゃ何故、かつての日本が負け戦をわざわざしたのか?  その答えは健さんの任侠映画をみれば分かります(笑)。  所詮、戦争とはそんなものですよ。    

  • dqn********

    4.0

    理不尽な軍隊への怒りを痛快に描く

    「座頭市」とともに勝新の当たり役となった「兵隊やくざ」シリーズ第一作。日中戦争時、満洲地方の関東軍に元やくざの男が配属される。その男・大宮(勝新太郎)の起こす騒動の数々。 ぶっきら棒で喧嘩っ早いが、義理堅く曲がったことが嫌いな大宮のキャラは、勝新にピッタリ。田村高廣もインテリだが芯の強い先輩上等兵・有田を好演しており、片や無学、片やインテリ、だけどウマがあうこの二人のコンビネーションが映画の見所である。 ささいな上下関係で理不尽な対応をする軍隊機構と、内部の規律にあぐらをかいて傲慢な態度をとる上等兵や下士官たち。そんな人間と組織に対して、怒りを爆発させる大宮の一本筋の通った活躍ぶりはまさに痛快。有田が軍隊の上下関係を逆手にとり、大宮に仕返しをさせる場面など胸のすく気持ち良さだ。 また軍隊内部に見られた日本的組織スタイルは、戦後も生き延びたと言え、そんな日本的な組織(会社がその典型)で悪戦苦闘している人間たちも、大宮の奮闘ぶりには、拍手喝采を送ったのではないか(実際に大宮のように暴れたら会社クビになりますが)。 軍隊への批判を込めながらも陰惨さがあまり無い作風は、岡本喜八「独立愚連隊」2作とも共通している。ここら辺の雰囲気は50年代の戦争映画と明らかに異なる点だろう。

  • tak********

    5.0

    増村×勝新

    聖夜に増村! 我ながら見事なミスマッチ!! ツタヤの増村監督コーナーに置いてなかった作品。 勝新コーナーに置いて有りました。 戦時中の大陸に駐屯している陸軍に新兵としてやってきたやくざ者。(勝新) そのやくざ者の教育係に任命されるインテリ上等兵。(田村兄) 戦争映画と言うよりは二人の反目と友情を描いた秀作でした。 戦闘シーンは全く有りません。 訓練と喧嘩のシーンの連続です。 女性には浴場での全裸の男達の喧嘩シーンが必見です。 男性には遊郭での遊女(淡路恵子)を交えての三人のシーンがお勧めです。 しかし一番のお気に入りは成田三樹夫氏の登場シーン。 切れてます! 僅かなシーンですが印象度抜群です。 ☆ミニニュース☆ 来年一月に角川シネマ新宿にて増村監督作品が連続上映されます。 興味のある方は是非劇場に! しかしスクリーンで増村作品。 観たい様な観たくない様な…

  • aa0********

    4.0

    ネタバレ以外にも軽快で楽しいノリの映画!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
1 ページ/2 ページ中