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網走番外地

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4.0

アラカンの迫力のある演技は鳥肌もの

 …今から半世紀以上も前の1965年の作品だ。  …斬ったハッタの極道任侠ものかと思ったら、網走刑務所からの脱獄逃避行劇だった。  …あらすじは解説のとおりと書こうと思ったら空欄だった。  貧農の生れの橘(高倉健)は、義父との仲がうまくいかず家を飛び出し、やくざの世界に足を踏み入れ、親分のための傷害事件で懲役3年を言い渡され、網走刑務所に入獄する……ところから物語は始まる。  後は、挿入されている次の歌のとおり。  『♪一人暮らしのお袋に 極道重ねた罰当たり  すまぬすまぬと手をついて 涙で祈る番外地♪』  母親が乳癌で余命が少ないことを知った橘は、同房の仲間たちの脱獄計画に乗りかけたが、鬼寅(嵐寛寿郎)の気迫溢れる説得に思い留まる。  この時のアラカンの迫力のある演技には、鳥肌が立ってしまった。  しかし、憎々しく老獪な南原宏治の奸計に嵌まり、二人は手錠で繋がったまま大雪原を逃亡する羽目になる。  それを追うのは、橘の保護司の丹波哲郎だ。  なかなか明朗快活な好人物だ。  トロッコによるチェイス・シーンはなかなか迫力があったし、列車による手錠切断シーンもスリル感があった。  若かりし高倉健が、不器用で武骨ながらも家族思いのナイーブさを併せ持つ青年を好演していた。  しかし、この作品の最大の見所は、アラカンの老練卓越した演技だろう。  もう一度書くが、もの凄い迫力のオーラを放っていた。  ゾクゾクものだった。

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