山本薩夫の最高作
- kin***** さん
- 2020年2月16日 10時18分
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- 総合評価
破蔵師という、超マイナーな犯罪者と松川事件を結びつけた発想が凄い。
意外や意外という展開もよく練られていて、スクリーンにずっと惹きつけられてしまいます。
配役も素晴らしい。伊藤雄之助のおかしさは、もうこんな俳優いませんね。山本演出もコミカルに楽しませながらも堂々として、一点のゆるぎもなし。
ラストの法廷で、伊藤雄之助と三國連太郎が真横に並んでいたり、被告と証言者が抱き合ったりするのは、現実にはあり得ないと思いますが、そこは劇的効果を高める映画の嘘で、大いにアリ。
あえて不満を言えば、鈴木瑞穂への同情が三國連太郎の証言を引き出すことになるのですが、子供の使い方が (子役はなかなかいいけど) ちょっとクサイかな、くらいです。あと、これはプリントの問題と思いますが、セリフが聞き取りにくく、何言ってるのか分からない箇所が結構あったこと。
ニヤニヤ笑って見ていくうちに、人間のあり方を問われる傑作です。
池袋新文芸坐、山本薩夫特集で「白い巨塔」と併映鑑賞。「白い巨塔」はオールスター映画で、本作に比べると演出が大雑把な印象でした。スケジュール的に粘れなかったのかもしれません。
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