レビュー一覧に戻る
色ごと師春団治

bakeneko

5.0

ネタバレ憎めない困った人

関西落語の革新者、桂春団冶の破天荒な半生を藤山寛美の主演+吉本&松竹新喜劇陣+マキノ一家俳優陣が生き生きと描いて、関西人の心意気&生き方を魅せる”芸道者&人間ドラマ”の佳作であります。 周りに大迷惑を掛けて好き勝手に生きているけれど、何故か憎めないトリックスターを通して、下町の様々な人々の哀歓を浮かび上がらせるーマキノ節の真骨頂に酔わされる一遍で、 我儘過ぎる主人公に呆れながら見ているうちに、この”困った人”と彼を取り巻く人々の人生の愛らしさに気が付くのであります。 3人3様の女性 賢い女ー南田洋子 情のある女ー丘さとみ 真面目な女ー藤純子 の描き分けもくっきりとしていて、親友の長門裕之も”くされ縁”の友情で泣かせてくれます。 特にラストシークエンスの不思議な明るさに満ちた”逆転演出”が見事で、開放感と共に”全てが終わったときに何が残るのか?”という人生のテーマを言葉ではなく、感覚で触れさせてくれる別嬪の幕切れであります。 40代以上には懐かしい関西喜劇人の顔を大勢見つける楽しさもある作品で、深いテーマと男女の機微をさらりと見せてくれますよ。 ねたばれ?(思い出した格言) 男とはー 母、妻、を泣かし、娘に泣かされる生き物である(我が家は違いますが)。

閲覧数348