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アリスの恋

アリスの恋

ALICE DOESN'T LIVE HERE ANYMORE

113

yad********

3.0

スコセッシ流、女性賛歌

「映画史上初の女性のための映画!  と全米マスコミ界が絶賛した注目の傑作!」 allcinemaの作品紹介蘭にこう書かれている作品です。 ☆ ☆ ☆ アメリカ映画では、主人公の職業が“ウェイトレス” ってのが意外と多いです。 『ターミネーター』『恋愛小説家』『カイロの紫のバラ』 『あなたに降る夢』『ぼくの美しいひとだから』などなど、 挙げればキリがありません。 日本の場合、喫茶店に限らずファミリーレストランも含めると、 結構な人数がこの職についている筈ですが、 ウェイトレスを主役にした映画もドラマも、少ない気がします。 この違いの理由というか事情について、ハーベイ・カイテルが 『レザボアドッグス』という作品で、S・ブシェミ相手に講釈をたれた、 その台詞の内容にヒントがあります。 曰く、「アメリカでは、高卒女子の就業率が1位であり、 低賃金・重労働だが、チップのお陰で生計を立てれる」と。 アルバイトが主流の日本との違いがありますし、 女優の卵やシングル・マザー、旦那がロクデナシ等・・・ ちょいと苦しい事情の女性が描かれる事が多く、 そんな彼女たちが手っ取り早く生活費を稼げる職業 という違いが伺えます。 さらに補足すると、接客の仕方が全然違いますね。 日本では、通いつめて常連になったとしても、雑談程度までだし、 さらに恋愛関係まで進む事は極めてマレだと思いますが、 アメリカの所謂ダイナーの風景は、客とウェイトレスが結構喋る喋る(笑) そしてしょちゅうカップルが成立してる(笑) う~ん・・・映画用にご都合主義な展開なのかもしれないけど、 こう頻繁に映画で描写されるとやはり、よくある風景なのかも。 客の注文の仕方も面白いです。 やれ「トマトは横に添えろ」だの、「フライド・ポテトには塩をふるな」だの、 「ベーコンはカリカリ」だの、とにかく・・・ツベコベと我侭でウルサイ(笑) 確か『恋人たちの予感』でのメグ・ライアンがこんな感じだったような・・・ 彼女は極端な例かもしれないけど、一つ二つ注文をつけるシーンはよく見ます。 でも米ウェイトレスは、嫌な顔せずにメモってますなぁ。。。 それと、客から下品だったりおバカな会話を投げかけられても、上手に返してる。 このナイスな接客をマスターしてこそ、チップを稼げるって事なんすかね。 ついでに・・・ミニスカート&第一ボタンを開けている率が高い制服姿で・・・ そして、明るい接客&やたらと屈むシーンが多い米ウェイトレスの方が・・・ 健康的なセクシーさが有りますな♪ この方がチップが多いそうで・・・(苦笑) で、結論として、これらの様子は映画の題材として十分面白いし、 主人公の人物描写にも便利なのでしょう。 この『アリスの恋』の主人公もウェイトレスです。正確には元シンガー役ですけど・・・ 内容は一応ロード・ムービーですし、 当時流行りのウーマン・リブ物と言えばそうなのですが、 そのどちら共、中途半端な印象でした。。。 あまり移動してないし、結局は男かよ・・・な話でしたし・・・ 女性の社会進出を応援というよりも、子育てと仕事の両立の苦労をリアルに描きながら、 母親として、女性として、そして人間として成長する様子を謳う眼差しの作品でした。 ところで・・・ウェイトレスについて長々とレビューしたのは、主人公がこの仕事に就いてから、 この作品での魅力的なシーンが集中したからです。 同僚のウェイトレスとの人間関係の構築や客たちとの接客風景が、とにかく面白かったです。 監督はマーティン・スコセッシ・・・にしてはシャープさが見受けられず、ピンとこない出来ですが、 エレン・バースティンとダイアン・ラッドが制服姿で日光浴をするシーンは出色でした! それと、レビューされた皆さんが絶賛のジョディ・フォスターの、存在感が凄いです! これらのシークエンスは必見です。 あまりピンとこなかったのは、これはやはり女性向けの作品だからなのかもしれません。 主人公と似た境遇を経験した女性にとっては、かなりグッとくる作品なのだと思います。

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